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2012年4月10日火曜日

都市国家 「田園都市国家の構想」



先日、三浦氏の著作を買いそびれていて慌てて購入した。もう一冊のこの本、著作の別の本は読んだことあれど対談は初めて。

三浦氏の本は歴史データの分析はもとより何より写真との対比が楽しい。下町の形成を3期に分析するところなど白眉ものです。私が住んでいた玉ノ井も「濹東綺譚」とともに紹介されていた。

かたや、増田氏、高橋氏の著作は落ち目の三度傘の我が国を日本列島改造論の真逆の手法によって再生させようとするもので読んでいて面白い。ただ、対談部分が少ない。

さて、敵に祭り上げられた田中角栄氏であるが、そもそも日本の歴代の総理大臣は国家をビジョンとして捉えていたのであろうか。

私には大方の総理(最近の目まぐるしく変わる総理は別)は持っていたのではないかと思う。

ここに一つの資料がある。故大平正芳氏の「田園都市国家の構想」である。

名前からすると均一的な田園都市がイメージされるが決してそうではない。モデルニュータウン建設を否として、人間生活の総合的環境の計画的整備を是としている。

さらに第二章に至っては「日本の国家システム」に言及しており、二分的対立の概念は本来の日本文化の中にはなく、隋唐文化の吸収期の律令時代と欧米文化を摂取した明治以降だと説いているのだ。

この時の座長を調べてみると梅竿忠夫氏である。画竜点睛のこどき慧眼である。

ここで私の中には三浦氏の著作が思いだされる。下町と言えど東京である。戦災からの復興にしても東日本大震災からの復興と比べるとそのスピードが違うる何故にここまで物凄いスピードで2度も復興することが出たのか・・・

明治以降の日本は不合理さの上になりたっていたのは誰もが認めるところであろう。良い悪いはへ別としてその不合理さは、東京と言う街を世界的にすることに邁進した。東京に足りないものがあれば足して、何としてでも東京だけは別だった。その事がこの恐ろしい程のスピードを持ったとすれば皮肉な話だ。

アメリカの西海岸の沖に都市国家を作ると言うプロジェクトがあるらしい。ITの資産家ですでに120万ドル以上つぎ込んでいるらしい。実現するかどうかは別にして、彼の考える国家はリバタリアンの国家だ。規制を廃止し自由主義を原則とする。

目を国内に向けてみよう。府民にあれだけ人気のある橋本氏のいうところは大阪を都市国家にせい。というものだ。

大阪だけ切り離して、特区として自由に裁量権を持たせえ。というものだ。

ビックブラザーからリトルピープルの時代へと変化していると前述した。その事は政治体制さえも変える。二元的思考選択からより並立的思考選択へと舵をとるのであらば、我々も相当覚悟をしなければならないだろう。

それは地域、国家という地政学的、民族的の集団を解体し、リビルドするのである。そには我々を守る外部装置はもはや存在せず。我々自身が自らを守る必要があるからだ。