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2009年1月2日金曜日

生命記号論

数年前からCPスノウに触発されて、たとい難解でも何とか近づきたいと理系学問の著作を読むようにしていました。イアンスチュアートとマーテイン・ゴルビッキーの共著「対称性の破れが世界を創る」より日本人ノーベル物理学賞の対象であるCPパリティの破れを確認していたところ、たまたま付けていたテレビの放送大学で面白い番組を特集していました。

ソシュール、バルトに代表される哲学系の記号論と自然科学的記号論のCSパースの両方を組み入れたジャスパー・ホフマイヤーというデンマークの学者による「生命記号論」です。まさに文系と理系の横断的学問です。

彼の主張を抽出すると大切なのは「情報の処理」ではなく、「意味の大海に泳ぎだす」ことであり、「遺伝子はデジタルで処理されるが、生命はアナログである」など自然を機械的な構築としてとらえず、創造的なものとしてとらえています。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」も引用されていました。

息子にこの話をそれとはなしにしてみました。反応はなんだでもありませんでしたが、そういえば息子が見ないようなふりをして、私のフーコーやゆデリダ、フッサールやハイデカーを読んでいたことは知っています。所詮子供はそれでいいと思います。

流動性の罠 ポールグルーグマン

昨日は午後3時頃には東名高速道路の上り線はすでに渋滞気味で246で都心に向かいました。
結婚後、大変お世話になった祖母のお墓参りを済ませ、目黒の実家に挨拶です。
挨拶後、叔母の家で盛大なお正月会に参加させて頂きました。既に結婚して2人の子供に恵まれた長男家族と同じく1昨年結婚して、4月のダックス「コナ」君を飼い始めた弟ご夫婦とも久々の再開です。
二男のM君は大手公認会計士事務所に勤務しており、今話題のMS証券やバンクラプトしたRブラザーズの清算管財団体などの仕事をしており、経済、金融の話ととても参考になりました。NY勤務を希望しているそうです。

そんなことを考えながらPグルーグマンの書籍を読み返していました。現在アメリカも世界中も金利を低下させています。もちろん日本も、しかし1990年代に日本がゼロ金利政策において、Pグルーグマンが指摘した(liquidity trap=流動性の罠)にはまって、需要が喚起できなかったことを指摘する人はほとんどいません。オバマ新大統領が公共事業を拡大するといっています。しかし、この流動性の罠の中では民間需要は喚起されるのでしょうか?限定効果しか得られないのではないでしょうか?

閑話休題
テレビで構造改革推進派と構造改革反対派の討論番組が放映されていました。息子の先輩でもある金子勝氏がこの番組にも登場していましたが、構造改革が全て悪の権化というような理論も首をひねりますが、竹中氏も経済については正論そうでないものもあり、まあ及第点なのですが、外交となると論理を欠いています。
これは経済と外交というものがもはや同一場で論議されるべきテーマではなくなってきていることなのかもしれません。経済はグローバル化によってよりボーダーレスに、外交は国というナショナリティを背負うためこの経済とは厳密にリンクできないでいます。一企業の生産は1国において論議されるものではなくきなっており、すでにGDP、GNPという言葉も意味を失いつつあります。こんなことを考えてお正月の2日を過ごしています。


今年の年我が家の賀状インパクトNO1賞はF家のものでした。いつもは愛犬の写真のみなのですが、今年はご夫婦二人のランニング姿も追加されており、これがまた良い顔をしているグッドフォトなのです。こんなご夫婦になれるように我が家も笑顔の欠かせない1年にしたいものです。