このブログを検索

2013年4月15日月曜日

低温調理器


低温調理器

友人のお嬢様にお願いしてアメリカから低温調理器を調達した。
構造は何て事の内単純なものだ。大きなポットだと思えば良い。そのポットに温度を一定に保つサーモスタットが内蔵されている。
これによって低温で定温を保つ訳だ。
ところが一度間違った方法で料理してしまったことがある。京鴨(合鴨の一種で少し大きい)が手に入ったので真空になるビニールに入れて3.4時間調理した。(この方法だとドリップがほとんど出ないのだ)
出来あがった鴨肉は綺麗なピンク色で中心にゆっくり火が入ったことがわかる。焼き加減は旨く行った。ところがここで問題が生じた。皮目に焼き色を付けなかったのでこの見た目と食感が悪い。慌てて皮目を焼いたが今度は火が入りすぎてしまった。
この調理器を使う場合は出来るだけ塊の肉を使い、最初に強火で表面を焼き。冷ましてから真空のパックに入れて調理するこの手順を踏まなければならないのだ。
二度目に料理したそれは自画自賛になるが火の入り加減、焼き色といい、最高の仕上がりだった。
私はこの手の料理にスペシャルスパイスをあわせる事にしている。フランス料理では良く使うカトルエピス(Quatre Epice)である。このスパイスは白コショウ、ジンジャーパウダー、ナツメグ、クローブ、パプリカ、フェネルなどから4種類を混ぜ合わせて使うのだが、私はこれにクミンシードパウダーとシナモンを加えることにしている。こうすることでフランスの対岸である北アフリカのどこかエキゾチックな雰囲気になるからだ。そして京都からやってきた鴨に敬意を表してシナモンを加えた。もし手元に八橋があればそれを粉砕して使っても良い。断っておくが生は使えないのであしからず。
こうしてカトルエピスならぬ7種のスパイスで焼かれたお肉はとても上品な味になる。
そして付け合わせはかぼちゃのムースである。これには生のオレンジを絞ったジュースを加える。少量のバターとクリームが適度な柔らかさをつくり、滑らかな仕上がりになる。