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2012年5月8日火曜日

脳と意識の時間

私の会社では毎日一人サマータイムを実施しているので今のような朝陽が早く昇る時期には6時前にオフィスにいます。たまったメールの処理やスケジュールを確認したりしますが7時過ぎにはひと段落します。そしてしばし好きな音楽を掛けて読書の時間です。

新しい本を読むことも良いのですが、以前読んだ本ほもう一度読み返してみるというのも案外面白いものです。

私自身が一度脳に得体のしれないものがあると宣告され、当時はこれゃ参ったなという心境でしたが、あろうことかどうやら先天性のものらしく、その後何事もなく「経過観察」(これ重要な診断なんですよ)で何事もなく過ごしています。

私の場合は第4脳室の奥にあり、開頭の出来ない場所でしたから腫瘍であったら今はこんな事も書けなかったでしょうが・・・・

そんなこともあり、第二の宇宙とも呼べる人間の脳について興味を持ち、いくばくかの書籍を買い読みました。

高校の親友は脳外科を生業としており、当時は多い時は毎週のように開頭手術していました。

彼によると脳には血管が無く、開頭してもほとんど出血はないそうです。

今読んでいる本はこの「マインドタイム」というベンジャミンリベット氏が書いた本です。

彼はUCLAの生理学科の名誉教授で文字通り脳と意識の関係について研究した内容の本です。

冒頭でデカルトの「我思う故に我あり」を引用し、絶対的に確信できる唯一の経験つまり主観的経験さえも歪みが生じ、伝播される時間に差が生じると述べています。

このような無意識の脳の活動は何に由来し、どのような役割を持っているのか本書の中で述べられています。

つまり生体器官としての脳は私達の意識より先にある仕事を済ませていると言う筆者の洞察です。

さらにニューロンから伝達される電気的刺激がてんかんの発作を起こし、また一方でこの作用の不具合が自律神経失調症や不定愁訴の原因であるとも生理学的な説明がなされています。

現代人は心が病んでいると言われますが、この本を読むと「脳の基序がうまくいっていない、生体的特徴」と理解できます。

生理学的知識も分子生物学の発展と共に大きく変わりました。今まで実験さえ出来なかったものも最新のコンピューターと理論によって検証する事が出来るようになったからです。

こんなサマータイムの有効利用も如何でしょう??