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2013年12月18日水曜日

肉々ひい肉 茄子の蒲焼き 仙台麩

肉じゃないのに肉であると主張する食材がいくつか存在する。私の育った隣街(戦前は中島飛行機の製作、戦後は自動車で有名になった)にはとんでもない、うな重が存在する。色形、匂いまで鰻そっくり、蓋を開けてもやや太めの鰻と見紛うものが重箱の真ん中にドーンと置かれている。箸をつけ持ち上げるとタレを含んだその身は鰻より重たい。口に運べばよく蒸した鰻のようではあるが、あまりにフニャフニャで柔らかい。噛んでみるとそれは鰻とは別物だ。だって茄子だもの。

我が家では筍の季節になると仙台麩を用いて煮物を作る。筍というヤツは季節が少しでもずれると市場から全くなくなるのに、その一時期には貰い物が集中する。色々なところから4.5本も頂くとエグみが出ないうちに調理しなければならないから大変だ。最初の頃は刺し身や若竹煮で崇められ食べていてもすぐ飽きが来る。そうすると我が家ではこの仙台麩とのコラボレーションの登場となる。

仙台麩は長い木に巻きつけ焼き上げる。焼き上げた麸を何と容赦なく油で揚げてしまうのだ。麸の神様がいたに叱られそうだが、この傍若無人の行為によって、麸は肉に変わるのだ。少し濃い目に味付けされた仙台麩はまさに肉である。肉より、肉々ひい肉・・