蝶はバタフライ、かたや蛾はモスである。今日は蝶の話。
私は子供の頃、蝶にはまっていた。子供なら一度は経験する虫獲りの類だが、何事も凝り性の性格ゆえ、蝶に関する書籍はつい読みふけったものである。
まず捕蝶網。出来るだけ大きめで軽く、柔らかい網である。網の長さも重要だ。当時は竹や細い木が主流だったが私はアルミで特別に作ってもらった。今ならカーボンか・・ただ落雷が怖い。
蝶を捕獲したらまず薄紙に羽根が折れないように綺麗にたたむ。この時蝶を軽く押して弱らせる。動かないようにしっかりと紙の詰まった三角形の容器に入れる。
家に帰ったら、死後硬直しないうちに桐で出来た標本台に乗せ、防腐材を注射器で蝶の胴体に注入する。紙テープで蝶の羽を広げ固定する。
体が固まったら標本箱に並べ、小さな紙に採取地、採取日、種類、雄雌を書き並列させる。
調べて行くと色々な事が分かってくる。例えばリュードルフィアライン=Luehdorfia lineというものがある。
地学で習ったフォッサマグナとは違うがこの線の西側ではギフチョウ、東側ではヒメギフチョウが生息する。
ギフチョウがカンアオイを食性とするのに対し、ヒメギフチョウはウスバサイシンを食性とする為に棲み分けられたという。しかしながら近縁のこの2種には混在型つまりハイブリッドも存在するそうだ。
アメリカにいる移動する蝶として有名なマダラチョウことオオカバマダラは幼虫がトウワタという植物を食べる。これにはアルカロイトが含まれていて蝶もその毒性をまとうことになる。
マダラチョウ全般がこの傾向があり、毒性を持つ。そしてそのためかマダラチョウは蛾に擬態していると言われている。
子供の頃の記憶なのに良く覚えている。蝶の事で何一つ得をしたことはないが学ぶとはそういうことたと思う。
久しぶりに宮益坂上の志賀昆虫普及社でも覗いて見るか。
いや志賀昆虫は確か戸越銀座に移転したのだった・・・残念・・・
知り合いのオフィスには番組制作生業としているので、某局の取材でボルネオに行った時のお土産として各種の昆虫の標本が飾られていたが、そうあのとき少しだけ昆虫の知識が役だったかもしれない。
まあそんなものだ・・・・