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2013年1月25日金曜日

ホワイトアスパラガス 旧 ジョエル 青山 現 キュイジーヌ フランセーズ JJ


ホワイトアスパラガス 旧青山ジョエル キュイジーヌ フランセーズ JJ

大分前になる。ワインを覚えたての頃だったと思う。妻と本場のホワイトアスパラガスを食べてみたいと青山に出掛けた。丁度、ゴールデンウイークの前後だったような気がする。
近くでブルースウェーバーの写真展をやっていた。我が家にもゴールデンがいるのでこの写真展を観た記憶がある。大きなニューファンドランドのポスターが特別に売られていた。10万円という価格を聞いて尻込みした。買っておけばよかったと今更ながら後悔する。その足で入ったのが「ジョエル」だった。
私は今はやりのフレンチはあまり好きではない。どことは言わないが懐石料理の様に少しずつ凝った演出で供されるそれは何を食べているのか分からない。私は正真正銘古いフレンチが好きだ。フランスも大きな国で地方によって使う食材や味付けが違う。当然旬の時期も違うし、素材もまちまちだ。その一つがホワイトアスパラガスである。私は国産のアスパラガスを何回と食べても、いつも繊維が口に残り後味の悪さを感じていた。本場はどうなのだろうという興味があった。この店では採れる季節により2つの別の地方の物をフランスから空輸しているそうだ。確かこの時はブルターニュ産と言っていた。
運ばれてきたそれは柔らかすぎず、硬すぎず絶妙な火入れだった。上に掛けられたウイユ(卵)ソースも微かな酸味と濃厚な黄身が旨くバランスが取れている。ナイフでアスパラを切るとすっと無駄な抵抗なくナイフが入っていく。口に運んでみるとほんとうに口の中でとろける。そして繊維を全く感じなかった。これは旨い。おそらく相当大きなアスパラを丁寧に下処理しているのであろう。脱帽した。
その後、この店は東京ミッドタウンに居を移した。名前もキュイジーヌ・フランセーズ・JJと変わったが、その後の再訪でも同様にホワイトアスパラガスを注文したが味は変わっていなかった。そうそう、この店のもう一つの名物は鱸のパイ包み焼きである。相談すれば料理してくれるようである。このアスパラにしても後段の鱸の料理にしてもとびきり白ワインと相性が良い。そろそろ暑くなる季節の変わり目にこんな料理を食べてワインを飲む。最高の時間である。ワインもローヌのヴィオニエに代表される力強い白となるとコンドリューあたりか・・・そう考えると今からこの季節の楽しみだ。




面従腹背と目先の利益




面従腹背という言葉をご存知ですよね。表面的には服従するように見せて内心では従わない事をさすのですが、丁度、インフレターゲット2%を突き付けられた日銀の総裁のコメントをよくよく分析するとこんな感じかと思います(笑 当の本人は違いますというでしょうが)
何故、こうなるのか?その原因は従わせようとさせている人間と従わなければならない人間の知見の差があるからではないでしょうか。ただし、一方で力の差が逆転している訳です。
私達の周りではこうしたことが日常のあらゆる場面で生じています。例えば大手のメーカーと下請けの関係、クライアントとの関係、先生と生徒の関係などです。もっとも知見も力も上ならば仕方ありません。どちらかが異なる時にこの面従腹背は起きやすいのです。
そしてその事に気づかずに進めて行くと、最後にはしっぺ返しを食うわけです。
この事は自戒として考えなければなりません。私達はついお金を払うと言う事で力の関係を強調したがります。お金を払ったからと言って力の関係はイーブンなのです。ここを大きく勘違いしてしまう。逆に知見が乏しいのに相手の事を理解せず物事を進めて行く人もいます。ビジネスの上で話をすると「普通はこうだから」と言う人がいます。普通って何でしょう。その人にとっての普通と私にとっての普通は全く違うのにステレオタイプに断言してしまう。つい先日もロマンティックなインテリアを好むクライアントを理解せず先走りそうになりましたが、ちゃんとそういった自分にとって「普通でないもの」も理解して取り組まなければなりません。幸い一緒にやっている設計士の先生が柔軟だったので助かったのですが、要はそういう事です。私もすぐに図書館に走りました(笑)
一方、こんな事もありました。私が壁紙を選んでいると業者は指定したカタログだけを用意してありました。これでは50点です。普通カタログというのは無料です。またはインターネットで簡単に取ることが出来ます。ところが和紙のカタログは有料なのです。目先の事を考えれば有料のカタログをいくつ揃えてもすぐに仕事に生かせるわけではないし、出費も痛いでしょう。でもそれは自己投資と同じではないでしょうか。目先の利益ばかり追求して自分の知見を高めなければそれ以上の仕事は回ってこないのです。もし私が業者だったら日本全国の和紙のカタログを購入してそれぞれの特色を理解して、その事を武器にします。ただし、ここで注意するのは前述した力の関係です。私が一刀両断にすれば相手は面従腹背するでしょうが、それでは困るのです。どうするか?私がカタログを無償で提供して相手に使ってもらう。そうです、自己投資のための本を相手に渡し出来る限り同じステージでやってもらいたいからなのです。