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2018年7月24日火曜日

シミュラークル シミレーション

 私のお客様の中には国産信奉者も少なからずおります。電化製品を始め、車、機械類は国産に限るという強い信念を持った方々です。大抵は私より年齢の上の方が多い気がします。
 それとは別に自分にはどうせ手が出せないからという消極的理由からくる人たちです。これには単なる妬みも含みます。これはどちらかと言うと私より若い人に見参されます。
 物としての生産物はひとえに模倣から始まります。さらに模倣が模倣を続けるとそのオリジナリティは失われて行きます。国産信奉といってもこの国はまだ100年ちよっと近代史の中で世界第二の工業国になったのは、この模倣が上手かったからに他なりません。そして僅かな差異(シミレーション)を作り上げ、最終的には記号化されてしまうといったのはジャン・ボードリヤールです。
 実学ばかりが有用ではありません。実学と並走して哲学や倫理学に触れることで、平仄が整い人生を豊かにして行くものなのです。何を青臭いことをといっている人には、青臭いアカデミックな思想が欠如してくるものなのです。
 車なんて所詮鉄の塊で記号に過ぎないのです。国産だとか輸入車だとか言っている人は複雑化する世界の全体像が掴めていない悲しい人なのです。何処かの国の大統領もそうでした。思い込みと思想のなさは同調します。