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2009年10月2日金曜日

アムールの虎

もうすでに私が生まれたときの親父の年齢を上回ってしまいました。

当たり前?いえ親父は再婚で、私が生まれたとき既に45歳をすぎていたのです。何せ明治生まれですから今生きていれば90歳を超えている訳です。

そんな親父は母親とは好対照でした。死ぬ間際まで自分の生い立ちを話したことはなかったのですが、戦前の中国での生活が彼の輝かしき人生だったのでしょう。荒涼たる北満州の草原でアムール虎に出くわした話を聞いたことがあります。目を輝かせて中国語を交え話していた事をぼんやり覚えています。

母と離婚し、放浪の旅を続けていましたが本人は放浪とは思っていなかったのでしよう。一度だけ妻と私のところに遊びに来ましたが、それが最後となりました。その時親父は妻が作った料理を美味しい美味しいと食べていたことを思い出します。親父は私が26歳のときに亡くなりました親父は長女は一目見ていますが、長男は見ていません。

時間が買えるのなら、1.2日買って父と話したいと思うこの頃です。父の残した長崎の蛍茶屋の長屋は今もその姿を残しています。

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