塩釜にいって驚いた。沿岸部の被害はひどいものだが、特に訪れた西塩釜駅周辺はほとんど被害を受けていない。
岩沼の津波の映像を観て、すべからくあのような被害が起こっているものと決めつけていたのである。
人々は地震の恐怖を今も思い出すという。しかし、冷静に考えれば地震によって倒壊した建物で死んだ人は少ないのだ。あの地震は被災地でなくても電車を止め、帰宅難民を輩出した。
すべからく多くの人が被害を受けたのだ。
直接、家族や知人の人命を失った人、家や家財道具を失った人はもちろん私たちと比すべくもない悲しみと大きなダメージを受けた訳だが、同じ地区であってもこんなに違いがあるのだ。
義父の家族は宮古にいるが、全員無事だった。家も壊れた人はいない。たまたま家が新興住宅地で港から離れた高台にあったのだ。
私たちは2項対立を好む。白黒つけたがる。しかし実際には白もあれば黒もあるのだ。
この目で見て、ますます3.11後の建築と社会システムという三浦展氏の本の事が思い出された。
政治家が総論で復興政策を論ずる無意味さを改めて実感した。
0 件のコメント:
コメントを投稿