和食がユネスコの世界文化遺産に登録されたと聞く。なんだかしっくりこないのは私だけだろうか。
そもそも和食と言われて多くの人は何を想像するのだろうか。京料理に代表される懐石料理のことなのか、それとももう少しカジュアルな割烹のようなものか、はたまた江戸前の握り寿司を思い浮かべるのか分からないが、蕎麦やうどん、ラーメンやカレーだって言い換えれば和食なのだからその裾野はかなり広いと思うのだ。
海外に行って和食を食べようとすると似ているが和食ではない店が多い。今や誰もが口にしたことはあるカリフォルニアロールだって和食といえば和食なのだ。
パリで1つ星を獲った和食のレストランに息子が出かけた。その店の主人はパリの魚事情があまりに酷く、自分が魚屋をするつもりで流通ルートから開拓すると意気込んでいたが結果は京都の和食店には遠く及ばぬものだったらしい。結局壁を乗り越えられなかったということか。またもや和食の星は当てにならぬ事を証明した。
そもそもその壁の考え方が間違っているのかもしれない。日本の和食をそのまま持ち込むことが本当に素晴らしいことなのだろうか。その土地にはその土地の気候がある。とれる食材も当然違う。だからカリフォルニアロールだって生まれたわけだ。日本と同じ和食を海外でつくろうとする行為こそ、間違っているのではないだろうか。
私たちの舌はそんな狭量ではない。その時時に応じて食べ分けることが出来るのだから。
因みに我が社のT君は日本に帰るとラーメンが一番食べたくなると言っていた。
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