ジャガータイプEは私の永遠の憧れです。そのタイプEへのオマージュとして作られたのが今回のタイプFです。ロングノーズ、ショートデッキはタイプEと似ているものの、後ろから見るとアストンマーチンのようでもあり、前から見るとマセラッティのようでもあり、やはり別の車です。宣伝文句がまたいい”It’s good to be But!!”まさにヒール役の私にピッタンこであります。というわけで今回も毎日その前を通りすぎているジャガー世田谷さんにお邪魔させて頂きました。
ご存知のようにフォードグループを離れて、タタの資本配下になったジャガーとレンジローバーです。エヴォーグが出たあたりには、カッコは良いけど走るの?と本当に心配になってしまいましたが、今回のタイプF4つの種類が選べ、廉価版の2車種は3.0リットルのV6でエコノミーではありますが、多くの欧州車が燃費を求めているエンジンで個人的には興味なし。今回試乗したのは5リットルV8のコンバーチブルでした。クーペはこの上にタイプRがあってさらに馬力が50HPアップされるようです。
内装はさすがというよりほか有りません。新型のコルベットは頑張りましたがここまでの質感はありません。シートはレンジローバーと同じメーカーのようで固くしっかりとしていて、さらに十分なクッション性もあります。コリノー社のレザーではなさそうですが素晴らしい仕上がりです。以前、プロゴルファーのOA女史がレンジローバーに乗っていて、偶然、南青山のマンションのエレベーターで乗り合せた際に、腰痛持ちにはこのシートが手放せないと同感したことがそのよさの証明でもあります。それにしてもフロントガラスのスラントが急で視界は狭いです。女性にはちょっと厳しいいかな。ちょうどガヤルドのそれに近いかも。
まずエンジン始動。このカリカリ音は何?V10やV12のエンジンなら分かりますが、V8の音じゃない。住宅地でははっきり言って迷惑になります。どうもオーバーリテイクしているようです。タイヤは20インチで前235/35後295/30、奇しくも19インチですが私の911カレラSと同じサイズ。ハンドルは今流行のエルゴノミクスレーシングタイプです。握りやすいです。
少し詰まっている246を川崎方面に走りながら感じたのは、まず低速のトルクが薄いこと。アクセルがスカスカしています。それとブレーキがじわっと効かない。低速ではカクンカクンとしてしまいます。陸橋をUターンして今度は空いている上り車線で少しだけ速度を上げます。するとさっきのトルク不足は嘘のように車体をグイグイ引っ張ります。これはきっとエンジン特性でもあるトルクカーブ高回転によっているのかもしれません。それでもどこかしら猫足の面影が残っているのかと思いましたが、サスペンション、ハンドリングは全くの別物です。確かにタイヤサイズの割に突き上げは少ないですが、車体の剛性感は911のほうが上手です。
車長は4600ミリとほどよいサイズ感ですが、車幅が2000ミリ、うーん、右ハンドルとこの車幅が最大のネックかもしれませんね。つまりはパナメーラと同じくらいになってしまいます。パナメーラGTSとこれを比べたら、はっきりいって運転の楽しさはパナメーラに軍配があがりますね。
ジャガー世田谷のHさんには申し訳ありませんが、もう一台持てるならば別ですが、やはり2台を選べと言われれば選択肢から外れてしまうでしょう。
そうそうタタに変わってからフォードの時のように部品を共用しろと指示がないのが良い点だと言っていました。納得。
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