4月1日にTESLAのMODEL3を予約しました。
20世紀はまさしくエンジンの時代でした。
私が乗り継いだ車はどれも個性的なエンジン音を轟かせ、運転する喜びを感じたものでした。イタリア車は艶めかしいまでの内装とよく壊れる内燃機関のギャップが稀代の悪女を連想させ、分かっているのに止められない魔性の車でした。一方、イギリス車はロングストロークから送られる力強いトルクが大地を鷲掴みしながら、猫足と称されるサスペンションの華麗さは英国貴婦人を連想させるものでした。アメリカ車は良くも悪くもダルな車でハンドリングの大雑把さと必要以上の馬力の滑稽さががアメリカの荒野の道無き道を走る姿に見事にオーバーラップしたものです。
ところが21世紀に入って、どのメーカーの車もエコロジーの合言葉の上で燃費ばかりを気にして個性のない車ばかりになってしまいました。これも時代の要請かと半ば諦めながらも一言申し上げたいと思い不躾ながら筆をとった次第です。
そもそも車は全て不経済です。私が言っているのではありません。日本を代表する経済学者の宇沢弘文氏が数十年前から、どんな言い訳をしても車を所有するのは不経済だと看破しているのですから。それをエコだから(エコロジーを否定している訳ではありません)お財布に優しいからなどと言い訳をして所有する位ならば、それこそシェアの発想で所有しなくても良いと思っています。私が言いたいのは車は贅沢品だと言うことです。その車を所有するだけの経済力があるならばどんな車を所有したっていいのです(笑)
私は今2台の車を所有しています。1台は2006年製の白のゲレンデワーゲン、これはDOHCになる前のOHCのエンジンです。ロングストロークと強い低速トルクが特徴ですが走行距離は10万キロ近くになります。もう一台は2008年製のポルシェ911カレラSです。空冷ではありませんが、フォルクスワーゲンに買収される前の真性ポルシェです。
ゲレンデはご存知のとおり、NATO軍で使われている軍用車がベースですが、日々それらは改善され続けています。確かにオーバースペックかもしれませんが、大雪の軽井沢で3日間完全孤立した時、道路を走っていたのは自衛隊の車両と私のゲレンデ位なものだったのですからオーバースペック大歓迎だったのであります。911は所有して既に4年が経過しますが全く壊れません。タイヤ交換したくらいです。ですから何の不満もないのですが唯一の瑕瑾なのは燃費です。いや、燃費というとお前も同じじゃないかと言われそうですが、地球環境に負荷を掛けている点では好ましくはありません。
各メーカーの車の多くはHBという手法をとります。このHBというのが厄介で二つの仕組みを併用するわけですから複雑になり部品数が増え、1台あたりの環境負担はHVでない車の1.5倍も掛かるとの試算もあるようです。電気自動車に至ってはまるで話しになりません。国産車の航続距離では実用になりません。政府は水素燃料車を推進していますが、インフラの整備に一箇所数億円掛かり、かつ現在のガソリンと同価格だとすれば一般に広まるとは考えにくいものです。
そこへ行くとシリコンバレー生まれのテスラは330kmの航続が可能です。さらに家庭用の電源からでも簡単に給油ならぬ充電が可能です。さらに同社が進めている自動運転機能が完成すれば過疎地の老人用自動車として大変便利なものになります。とまあここまではいいコトずくめのお話なのですが、ここで注意しなければならないのはその充電方法です。電気自動車の燃料コストはガソリン車の1/9という人も居ますが、それは深夜の一番安い料金で自家充電した場合です。これが外出先での充電ということになれば一気にコストは跳ね上がります。スーパーや量販店で見かける充電ステーションは会員制をとっており、月額3,800円から4,200円の会費がかかる仕組みになっています。会員にならずに充電することも可能なようですが、30分の利用料金が1500円掛かることになります。さらに1回の利用が30分以内と決められており、モデル3を充電する場合には追加であと10分しなければならず、総コストは2000円となってしまいます。つまり330kmのコストが2000円ということです。つまり1kmあたりのコストが6.06円ということになります。
燃費が良いプリウスHBが40km/lとするとガソリン価格が107円/lとすると1kmあたりのコストは2.675円と電気自動車よりコスト的には優れた形になってしまうのです。それもこれも急速充電設備のインフラコストが高く、そのため充電料金に跳ね上がるからです。
テスラを導入する場合、家庭用充電設備が必須です。これならば予めスケジュール管理し、深夜の安い電気によって充電が可能となります。太陽光パネルと組み合わせれば究極の循環型エネルギーとしての使用も可能となり、災害時の緊急用バッテリーの機能も果たせるからです。
結局コスト????と訝しがる御仁も多いでしょうが、そんな訳じゃありません(笑)その証拠に新しいゲレンデワーゲンのG550の試乗予約もしてしまいました。V84リットルツインターボのエンジンのどこがエコ???
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