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2008年11月15日土曜日

街づくり 町並み







街づくりや町並みについて、現在計画している建物に関連して、プロジェクトを進めて頂いている設計の先生方とときどき意見交換しています。
以前の会社では「アーバンとサバーバン」「社会性の定義」「利便性」について論議し、マーケット分析などを行っていましたが、私はとても冷めた目でながめていました。何故なら大企業が行う開発は規模と効率性の面で収束性を伴います。街づくりというのはこの収束性を持っていては駄目だと考えるからです。某恵比寿の開発も周辺に波及するどころか、ゲットーのようになってしまいました。代官山も同様です。
本来の街づくりとはその住み手の一人ひとりが活躍するために、知恵を出して実現するものだと思います。しかも時代、時代に合わせてです。そういった街が私には魅力的に感じるのです。
よくパリなどのヨーロッパの街を見て日本の都市計画は駄目だという人がいます。本当でしょうか?もしそうなら、日本全国、京都や鎌倉の一部のようになってしまいます。それは大変窮屈だと感じます。ロンドンもパリも観光地でない生活と密着しているエリアは当然存在し、私にはエネルギッシュに感じます。
ピカデリーも昼間顔と夜の顔があり、裏に行けば中華包丁を手に豚の頭を掴んでいる料理人がいます。
閑話休題
吉祥寺という街は知識人が多く、政治的にはやや左よりの傾向がありました。当然、コンサバティブな街で、吉祥寺の名前の通りお寺があり、それ以上伸張して発展することは難しいだろうと考えられていましたが、駅近くの高家賃と一様な街並みを嫌った数件のお店が次第にキャラクターの強い、裏町を作っていくことになりました。今では生活雑貨のお店やレストランなど大変賑わっています。






私がこの頃考えていることに「自己表現と内面性」ということがあります。人間誰しも自己表現したいものです。自分を透明にすることは大変な困難を伴います。しかし多くの資産家がこの自己表現に走りすぎています。日本には「徳」と「慎」いう文化があります。少しだけこの「徳」と「慎」を大切にしてみたらと考えるこの頃です。



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