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2010年1月26日火曜日

偶然と必然  Jacques Monod 因果律

「ある日の通勤途中に偶然、中学時代の同級生に出会った」と簡単に人は偶然を使います。

本当に偶然なのでしょうか、もし私(受けて)が全ての情報を手に入れていたらどうなんでしようか。

彼の自宅、家族構成、努めている会社のデータ、それと彼の嗜好性や日々の行動内容などです。

実は、その日彼とあったのは必然だったかもしれないのです。

人間というのは「自分の知り得ないもの」を偶然として片づけてしまいます。そう合理性ゆえです。

私はこの偶然と必然という、表裏の関係を考察するときには、この「J・モノーの偶然と必然」という本を思い出します。みすず書房より昭和47年に発刊された古い本です。

J・モノー(Jacques Monod)はパストゥール研究所所長も務め、ノーベル生医学賞受賞の人です。

次に次に新しいことが発見されている生物学会において、すでに既知と変更を余儀なくされる内容は多々あるかと思いますが、私にはCP・スノーがいうような2つの文明に橋架している人物と思っています。彼の哲学的思考はフッサールやデカルトにも劣らない考察を兼ね備えています。

アミノ酸配列を含む生物の分子構造体を鏡に移すと1対の鏡像体があらわれます。それは右手と左手のように決して重ならないのです。しかし、生物のそれは決まって左手なのです。

バタフライ効果というのがあります。これは風が吹けば・・・・・・のあれです。つまり「因果律」です。


この因果律のように宇宙創造の最初の「ゆらぎ」があったかもしれないように、生物の根本をなす構造体を作る基序においてもどうようの「ゆらぎ」があったのかもしれません。偶然と必然は表裏なのです。まだ解明されていません。




つまり偶然は必然であり、必然は偶然の産物なのです。今日の出会いは実は因果律により導かれているとしたら、大切にしなければなれません。

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