超紫陽氏が死去した後肉声の録音テープに基づき作られた本書です。私の興味は彼がライバルの李鵬氏をどう思い、どういう状態だったのか、さらに絶対的権力者としての鄧小平氏が何を思ったのかです。日米安保同様、天安門事件とは何であったのかと思う私なのでじっくり読んでみます。
一方、「三低主義」は三浦氏が建築家の隈研吾氏との対談ですすめる、2010年2月に上梓されたばかりのものです。
三浦氏は建築についてはその後相当勉強をされたようです。知識も豊富です。そしてコルビジェファンとして異端的である私の感覚と隈氏が観察するそれが似ていることに驚きました。
隈氏 文中略
「コルビジエはカルビィニズムのすごい抑圧の中から一種の解放を南に求めて・・・・・・・・
自分は南の血があるというフィクショナルなロジックによって組み立てる・・・・・」
さらに二人が高円寺や阿佐ヶ谷に興味をもっているのも同じでした。
以前、次回ニューヨークに行ったときにロングアイランド、特にサウスハンプトンに行ってみたいと言っていたのは豪華なWASPの避暑地を見学したいということももちろんありましたが、隈氏がこの本にも書いてあるように、サウスハンプトンまで行く高速道路の橋が異常に低いという現実を観てみたかったからなんです。ニューヨークに住んでいた友人が「ロングアイランドまで低所得者がバスで移動できないように低くしてあるんだ」「それはアメリカ人特にWASPの意地悪さだ」
それ以外にもフラーに関する記述、宮脇 檀氏をプードルに例えたり、興味深く読むことが出来ました。
隈氏の「ヨーロッパはバカンスを、アメリカは持ち家住宅のプロパガンダを進める」という下りです。そうハードの住宅とバカンスというソフトです。そして続けるなら日本もアメリカの真似をしてということになります。ただ残念なのは隈氏が建築家の生徒は旅をとなくなったといのは「旅をしなくなった生徒」しか見ていないからです。
さらに「小屋のような建築が良い」と三浦氏が言っているあたりでは、前出したボーボー文化の再発掘というサブカルチャー的要素が垣間見えて、少し嫌な気がします。
それにしても三浦氏はこのところ色々な分野でひっぱりだひのようです。ただ古い建築をリノベートして共有することの現実には、法律上の責任と経済的合理性の相克が生ずることも無視できません。
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