昨日偶然に森 有正氏のことをテレビで取り上げていました。
私にフランス哲学の基序を教えてくれた人でもあります(詳細は後述するとして)
東京大学教授の職を捨て、単身パリで、圧倒的西欧文明と対峙した人であります。
番組でも取り上げていましたが、氏は自らをmisère(ミゼール)と言ったそうです。外に出て、日本を振り返ったときそう感じたのでしょう。心打たれます。日本人でいながら身をもって西欧文化を認識させられた人です。
ところが欧米の思想の多くは未だにE・W・サイードの定義した、オリエンタリズムで満ち溢れています。一方的、文化の押し付けです。
今回もやはりというか、またかと思わせるアカデミー賞を受賞した「ザ・コープ」の監督のスピーチにはうんざりです。
頭の良い動物は殺してはダメで、頭の悪い動物は殺していいそうです。まさに、選民意識です。さらに、分からないものには、分からせる、啓蒙だともいっています。人間のみを地球の中心と考える、エゴイズムの何でもありません。
そもそも生物には境界はないのです、養老先生も言っておられます。人間が、恣意的に、便宜的に、政治的に作ったものだと。国境とて同様でしょう。
極端な環境思想、境界性は危険をはらみます。
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