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2011年2月15日火曜日

ケインズ再考 モラル・サイエンス

ケインズといえば経済学を机上の学問にしばりつけたと経済=合理性と人間の不確かな感情や欲動を無視して結論付けると批判されることがありますが、よくよくケインズを読み解くとそんなことはありません。

1938年に経済学者のハロッズに向けてこんな手紙を書いているのです。


「経済学は本質的にモラル・サイエンスであって、自然科学ではありません。すなわち経済学は内省や価値判断を用いるのです」
「経済学は動機、期待心理的不確実性といったものを取り扱っているのです。我々は素材を不変かつ同質的に扱わないように、たえず注意しなければなりません。言ってみれば林檎が地面に落ちることが、あたかも林檎の動機に依存したり、地面に落ちることが勝ちあることかどうかとか、地面が林檎の落ちることを望んでいるかどうかとかに依存したり、地球の中心からの距離についての林檎の誤算に依存しているようなものなのです」


言うまでもありません。ここでいう林檎はニュートンの林檎です。ケインズのこの考える林檎によるレトリックなのです。2つの世界観をつなぐ重要なファクターそれが林檎なのです・・・・

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