現在読書中と読後の本である。私達が高校生の時の生物学はやっとクリックとワトソンの2重ラセンなるDNAの構造が紹介されている程度で、今の教科書においてDNAやRNAなど分子生物学の紹介される範囲の広がった事は驚きである。
だからせっせとその手の本を買っては今の高校生に負けじと本を読むのである(笑)
オーサグラフの開発者で建物の構造計算者でもあり、設計家でもあるN氏が面白い事を言っていた。
「宇宙物理学もそうでしょうが、生物(人体)はパラメーターが多く研究しかいがあるのでは」と・・・
確かに分子生物学の分野の発展はめざましく、同時に物すごい量の情報を包含した。もちろんパラメーターも物凄く多くなったのだ。
しかしながら生命の設計図などと簡単に説明されては困るというのが本書である。
長らく理研に在籍し現在は東京大学に戻り駒場の銀杏並木を見ながら暮らしている著者はDNAは自己変革するという。鴨長明に照らしてその有様は「無常」でありつねに移ろい続けていると言う。
文章は平易で分かりやすい、専門家でなくてもすらすら読める。さらに最終章の近くでは生物学的にもデフレは発展を妨げるとそこらへんにころがっている駄経済学者に読ませたい文章まで書いている。
レビィナスまで言及するのはどうかと思うが、レビィナスを知らない文系の人には慧眼であろう。
もう一冊の「誘惑される意思」はしばらく前に話題になった本である。人は何故不合理な行動を撮るのか、そのことを双曲線に基づき説明されている。
たばこは体に良くないと分かっているのに止められないとか、ギャンブルは負けることが分かっているのに同じく止められないといった行動を分析する。
個人的にはそういった事も集団行動を全体のインフルエンスと考えると波動的関数によるデポケットなのではと考えるのだが皆さんはどうだろう。
幸い家の近くの本屋はとても変人で(ごめんなさい評価しているのですよ)みすず書房のコーナーを設けて特集をしている。
誰が買うのか分からないがこんな変な本屋がある事が私には嬉しい。
この本の横にCPスノーの「二つの文化と科学革命」が並べられていたのは、私が30代にこうした人文科学系の本を読むきっかけとなっただけに何か因縁を感じるのだ。
もちろんこちらは重版である。
0 件のコメント:
コメントを投稿