児島惟謙と言う人は大津事件で政府の関与を退け、司法の独立を守ったと言われるこの人なので知っている人も多いと思います。後には冤罪を押しつけられ辞する事になる訳ですが・・・
今日、この人の事を取り上げたのは欧州列強の仲間入りを果たしたいと思っていた当時の日本がこの人の公正さに助けられ、それらの国から一目置かれるようになった、つまり2等国から1.5等国に進んだ訳です。
それはそれは今と違う大日本帝国憲法のもとですから、政治や軍部の影響も強かったでしょう。それでも公正さにおいて、この人は司法を守った訳です。
そこへいくとどうでしょう、粉飾決算や飛ばしで一部上場企業さえあのような不祥事を起こして、外部監査の重要性が叫ばれている中、結果として圧力団体の「自由性」という都合のよい言葉で押し切られ、この事を徹底する折角の機会を逃したのです。
日本株全般が魅力なく映ったのでしょう。翌日株価は下がりました。
裁判用語に「証左」とい言葉があります。証拠とは少しニュアンスが違い、「そのように説明されるべき証となるもの」と言った意味です。
以前チームを組んで一緒に裁判をしているときに当方の弁護士が依頼者のひとつの言動に注意した事があります。折角、理論的に証拠を組み立てて、論戦を交えても、その一言が「証左」となり裁判官の心証が決まってしまうからです。
今の日本の企業も自分たちにとって都合良い行為がこの証左にならなければ良いと心配になってしまいます。
情報の開示とは都合のよい情報を並べるだけでなく、犯罪や犯罪に類似する行為を起こさないような工夫を開示するべきなのです。それがなければステークホルダーの信頼を勝ち得ることなど出来ません。画像はウィキペディアよりお借りしました。
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