排骨麺 横浜中華街「三和楼」渋谷「チャーリー」
排骨麺を食べることは滅多にない。何故ならぶらりと立ち寄った店で美味しい排骨麺と出くわしたことがないからだ。つい無難なチャーハンや野菜炒めを頼んでしまう。
すでに閉店して数年が経つが、渋谷の公園通りから細い路地を入ったところに「チャーリー」はあった。ここには多い時には週2.3回のペースで来ていたこともある。いつも頼むのは「トンミン」と日替わりの定食、日替わりの定食は日によって異なるが豆腐と筍の五目のうま煮だったりするものがご飯の上にたっぷりと掛けられていた。それを二人で半分にする。元祖シェアである。ここの麺類はスープの中に具材を入れて供さない。茹でたホウレンソウと葱とすりおろしにんにく、そしてこの「トンミン」が別の皿で盛られてくる。ここのスープは本格的中華料理のそれである。どこまでも透明な所謂「湯」と言われるものだ。清湯、上湯などと作り方の違いで呼び方も異なる。ここのスープはあっさりしているのに奥が深い。その中に細めのストレート麺が程良い量(若い時には多少物足りない位控えめな)だった。そこに揚げたての「トンミン」が産湯をつかるように投入され口に運ばれるのである。淡清なスープにカレー味の効かせた排骨がマッチして得も言われぬ旨さだ。ここは排骨を使ってはいたが、骨は取り除いてあった。だから、どんぶりの底には何一つ残らなかった。
昨年、鎌倉のある老舗中華料理店で一時期、排骨麺を提供していた。最初に食べた時、チャーリーを髣髴させるスープと排骨に驚き喜んでいたが、2度目に食した時には麺は伸び、排骨はバラバラに切られ、もはや排骨麺とよべる代物ではなかった。それ以来メニューからも無くなった。
中華街でも多くの店で排骨麺を提供している。贔屓の杭州料理店の「三和楼」のそれは値段が850円なれど群を抜いて美味しい。排骨の旨さもさることながらチャーリーと同じく丁寧に出汁をとったスープが奥深い。ここに来たら私は必ずこの排骨麺を注文する。
ちなみにこの三和楼が休みの日に別の店でこの排骨麺を注文した。値段も高く、伸びた麺と揚げてから時間の経った排骨の不味いことこの上なしであった。排骨麺の排骨だけは揚げたてでなければ美味しくない。天使が産湯に入るには薹が立っていては駄目なように・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿