雲呑麺 ワンタンメン 池尻大橋 八雲 浜田山 たんたん亭
私は学生の頃、井の頭線の浜田山駅近い場所に住んでいたことがある。当時、私は叔母が勤めていた某企業のグラウンドでアルバイトをしていた。家から自転車で5.6分だった。グラウンドは広大な敷地の中に広葉樹林を擁していて、当時でもクワガタやカブトムシが都内のこの場所で捕れること自体珍しかった。
私のアルバイトはテニスコートやグラウンドの整備の手伝いだった。もっともプールで監視員のアルバイトもあったが、一度その取りまとめ役と思しき男性から説明を受けたことがあるが、アルバイトの中でも学閥のような順位性をもった形式的な硬直した魅力のない考えに辟易して、そちらには近づくことはなかった。
アルバイトの中身は肉体労働である。最初のうちは家に帰ってくるとどっと疲れが出て倒れ込んでいたが、慣れてくると中々面白い。働いている人は皆中年を過ぎた人達ばかりで、よくよく彼らの働き方を見ると、メリハリを付けているのだ。つまり要領よく休むのである。そしてこのアルバイトのさらに良かったことは他人と話をしなくて済むことだった。この頃の私は体裁の好い会話は心底御免被りたかったからだ。
夜は近くの中学生の家庭教師をしていた。今でもその子には申し訳ないと思うが、いくら熱心な親であっても本人にその自覚がなければ勉強は身に付かないと最初に会った時に感じた。しかし、割のいいアルバイトだったのでそのことは口外しなかった。心のどこかでそんな事を感じていたので、教育実習や教職必須課目に忙しいと弁解して、早い時期にそのアルバイトを辞めたのがせめてもの良心の呵責かもしれないと今は思う。
この頃の私は幾分経済的には上向きになっていた。とはいえ一日千円の生活から千二百円に格上げされたようなものだった。
時折、駅の近くにあるたんたん亭に行った。いつも頼むのは決まってワンタン麺である。私は幼き頃から雲呑を「うどん」と読む変な癖がある。良く考えればワンタンとなるのだが、咄嗟にその文字を見ると「うどん」と発音してしまう。パブロフの犬宜しく条件反射のなせる技なのだ。吉田戦車の4コマ漫画に喫茶店に入って「うどんください」というあれと同じである。私はたんたん亭に入って「うどんください」と言った。いや言ったと思う。しかしながら出てきたのは正真正銘のワンタン麺だった。それ以来、暖簾をくぐる前に「ワンタン、ワンタン」と心の中で連呼して入っていくことにしている。
たんたん亭のスープは魚介系のあっさりしたスープである。ここで修業した人があちこちで独立しているので一度はこのタンタン亭流のラーメンやワンタン麺を食した人が多いのではないかと思う。かくいう私の事務所の近く(ちょうど池尻大橋と中目黒の中間地点あたり)にも八雲というこれまたたんたん亭出身の店がある。以前は隣のガソリンスタンドで洗車してもらっている間にここで食すことが多かったが、今やガソリンスタンドはなくなり、この頃は中々行けない。雲呑に八雲、中々ややこしくなってきた。
このところブログに写真がアップ出来ない。あとでアップします??
picasa webならアップ出来る??なぜ??
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