正式にはgibierではなくsauvageです。何故ならgibierには一定の条件下で飼育された獣肉も入ってしまうためで戴いたこれは正真正銘の野生だからです。
フランス語で鹿はcheveuil=シュヴルイユといいます。野生の肉の中でもすぐに血抜きしないと血が回ってしまう扱いの難しいものなのですが、我が家にはこの季節になるとこの嬉しいこの贈り物が届きます。もちろんこれとてご主人のハンターの腕のなせる技でしょうが、
この美味しい贈り物を届けてくれるのは黒のラブラドールを飼っている横浜在住のご夫婦です。セプとさくらに感謝。犬がいなければ出会えなかった縁だからです。
ご主人が狩猟し、奥様がそれを捌くというなんとも仲睦まじいご夫婦であります。
昨日も新鮮な蝦夷鹿のもも肉と貴重な心臓を戴き、家族で美味しく食べさせていただきました。
飼育された獣肉との違いは何と言ってもその肉の持つ生命力です。肉を噛みしめれば今まで生きていたその動物の命を感じます。私達がいかに多くの動物達の犠牲の上に成り立っているのかつくづく考えさせられます。それだからこそ骨まで大切に味わいたいと思うのです。
ということで今回は蝦夷鹿のもも肉のグリエのレシピです。もし手に入ったら是非チャレンジしてみてください。秋の深まりとともにこのジビエでとったフォンは格別でありますから。
蝦夷鹿のもも肉のグリエ
■用意するもの■
肉
蝦夷鹿もも肉 塊、蝦夷鹿の骨、クズ肉
香味野菜
セロリ、人蔘、エシャロット、タマネギ、パセリの茎、にんにく、ローズマリー、タイム
お酒
赤ワイン、ポルト酒、ブランデー
調味料
塩、胡椒、キャトル・エピス、バルサミコ酢
その他
バター、網脂、ピーナッツオイル
付け合せ
きのこ各種、じゃがいも、根セロリ
■作り方■
① 血や筋を掃除した肉に赤ワイン、香味野菜(半量)を入れ一晩マリネする
② 骨、屑肉、香味野菜(半量)にピーナッツオイルを掛けてオーブンで焼く
③ 大鍋に半量の水を入れ②をこそげ落とすようにして入れて、灰汁を掬いながらよく煮込む
④ ①の一晩マリネした肉を取り出し、水気を拭きとり網脂をかぶせる
⑤ ①のマリネした野菜、ワイン、さらにバルサミコ酢を大鍋に加えさらに煮込む
⑥ 煮汁が1/3程度になったら野菜や浮遊物を漉す。これでソースの基本が出来上がり。
⑦ 千切りにしたじゃがいもと根セロリに塩コショウしピーナッツオイルで片面ずつ焦げ目がつきカリッとするように炒める。
⑧ きのこはバターでさっと炒め塩コショウしておく(肉が出来上がる寸前)
⑨ 網脂の上からバターを塗り、塩コショウ、キャトル・エピスを振り、肉の表面をさっと色づく程度にフライパンで焼く
⑩ 肉の上にステンレスのボウルなど被せて10分休ませ、次に200度のオーブンで5分焼き、さらに同様に被せて10分休ませる。これを5回から6回繰り返す(肉汁が出なくなって肉が膨らんできたら出来上がりです)