10月30日「悲しき熱帯」「野生の思考」で有名なクロード・レビィ・ストロース氏が永眠されました。100歳でした。
今では「ポスト構造主義」と言われていますが、彼がいなかったら構造主義そのものが認められていなかったのではと思います。ポストどころではありません。未開の文明にある構造知に光をあて、西欧中心の思考体系に警鐘をならしました。
知の巨人がまた一人この世からいなくなりました。ご冥福をお祈りいたします。
奇遇にもあるレビィ・ストロースのことを書いた後に、有名なブログで当時のフランスには自らがフランスの知を背負っているという責任感と自負があったが、今の日本にはないと断罪している人がいましたが、果たしてそうでしょうか。私も自分の環境だけではそう思わざる得ないでしょうが、本当の「知」を求めて努力し、成果を生んでいる若人がいることも付け加えておかねばなりません。実際にはあるのですよ。知らないことを知っている、知っている事しか知らないということはどうなんでしょう。まさに知の矮小化であります。