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2012年11月14日水曜日

1981年のゴーストライダー Ⅷ



洋一のフローリアンはエンジンを掛けるのにチョッとしたコツがある。ディーゼルエンジンなのでチョークを引いてエンジンにいれる空気の量を調整しなければならない。寒い冬は少し多めに、そして暖気されたあとは引かなくてもよいといった塩梅に天候や温度に左右される。一番やっかいなのは雨が降った時だ。どうもエンジンがへそを曲げるらしく、洋一でも旨く掛らない事が多い。掛ったとしてもエンジンは洋一に不満を言うが如く黒い煙を吐いてまるで監督に向かって何とか演目に応じた我儘な女優といった素振りをするのだ。

洋一のフローリアンにはフリーマーケットで購入した安物のサーフボードラックが付いている。中古で買ったそれは緑色の塗装がところどころ剥がれてゴムも頼りない代物だった。このラックの事をアロハサーフボードラックというそうだ。何がアロハなのか分からないがこの奇妙なネーミングのそいつとは終生このフローリアンが廃車になるまで共にすることになる。

洋一はフローリアンを東に向けて運転していた。車が飯倉の交差点に差し掛かる頃、東の空が明るくなってきた。洋一はこの前初めて飯倉を「いいぐら」と読むということを知った。上京して5年目の秋だった。

色を持たなかった洋一のフローリアンのボンネットも、本来のベージュ色が太陽の光に照らされ金色に光って見えた。

洋一は24時間営業をしているイタリアンレストランの横で車を止めた。優子との待ち合わせの時間にはまだすこし早かった。洋一は店の中でひとり時間をつぶすことがあまり得意ではなかった。洋一はカーラジオのスイッチを回した。しばらく回しながら周波数をいつも聞きなれたFENに設定しようとするがここは横浜と違いどう調整しても雑音が多かった。洋一は雑音のままラジオを聴いていた。

ラジオからレイパーカーJrのA woman needs loveが流れてきた。

洋一はこの曲のWOMANが単数形なのにNEEDSが複数形でLOVEが単数形なのかぼっーと考えていた。

曲がジョンレノンのStarting Overに変わる頃、道路の反対側のタクシーから降りてくる優子を見つけた。優子は足早に道路を横切り洋一に手を振ってそのまま助手席に滑り込んだ。
 
 
 

SNSと著作権

音楽の編集をしていて日本のメーカー主導で作ったソフトの使いにくさを痛感した人は私の周りにたくさんいる。

彼らは著作権保護という側面ばかり見て、ユーザーを見ていない。だから使いにくいソフトは結局削除され違うソフトや形式に置き変えられる。

現在のS***の凋落は今に始まった事ではあるまい。傘下にレコード会社を持つことで、製品開発の自由度を奪う。本末転倒。

時代は変化している。世界と並列に繋がることのできるような世界では、レコード会社の作るピラミッドは機能しない。

一部の超有名アーティストしかCDを発売出来ない時代ではない。

若手のアーティストは自分で有料のダウンロード出来るサイトを持っている。それでいて格安である。

著作権というけれど多くのアーティストはUTUBEに無料で楽曲を提供し我々はだだで聴くことが出来る。

結局、よくない利益はこのよに残らないの例えか・・・・

30年以上前にそのレコード会社の面接に行った。

あの時背広を着て学校名で判断していた人達は今どこにいったのだろう・・・・・・

会社も人が作る例えか・・・


追伸
amber navran bandはこのDLやっています。i tuneではEP局しか入手出来ませんが、このサイトではわずか10ドル(10ドル以上厚志でというのが良いですね)でアルバムを購入できます。
形式はMP3ですが問題はないでしょう。お薦めなので試してみて下さい。CDもレコードレーベルも要らない世界が実感できますよ・・・

http://www.ambernavran.com/