昨日タケシさんの絵描き小僧展観てきました。会場を訪れた人は口々にタケシは天才とか、全く作品が理解できないとか言っていました。
確かに才能は認めます。でもタケシさんが芸人にならずに絵描きを本業としていたらどうでしょうか。
私は上手く行かなかったような気がします。芸人であって、映画監督であって、そして絵描きなのです。この順序が大切なような気がします。
若い人の中には自分はこの職業があっていないとか、自分の事をこの会社は過小評価しているとか、はたまた会社のやっていることは社会正義にあらずと陳腐な義にかられて分かりもしないうちに会社を飛び出したりして悩み続ける人がいますが、世の中の職業ってそんなもんじゃないような気がするのです。
理想は変わります。変わらないのはその人が成長していない記です。
ここで人間は成長体験と失敗体験を混ぜこぜにして、判断していくものなのです。
知り合いに某国立大学を卒業して大手商社に就職するも高校生の時にブラスバンドで味わった高揚が忘れられずに、もう一度音楽大学に入り直して音楽家を目指しましたが旨く行かず、結局40歳を過ぎた今も音楽だけで食べて行けず、飲食店の手伝いをしてなんとか生活している人がいます。
もう一人は中学の時に数学オリンピックに出場しメダルまで獲得したのですが、彼はその時自分より数学の能力がある人がこの世界にいる事を十分理解し、結果、数学の道には進まず現在国立大学のとある病院長をしています。
もちろんこの二人はそれぞれ満足しているかもしれませんし、不満を持っているかもしれませんから他人がとやかく言う事はないのですが、要するに私が言いたいのはバランスを欠いた成功体験だけでも、失敗体験たけでも人間の判断はバイアスが強くなり、極端な方向に向かわせる傾向があるということです。
タケシさんはそういったことを知っていたのでしょうね。
失敗が多いから心配だとお嘆きのあなた心配はありません。人間の脳は都合よく出来ていて、失敗を覚えている脳は成功を覚えている脳の10分の1程度ということです(笑)