息子が研究者を目指すと決めた時に私が一つだけお願いした事がある。
それは「パンのための学問をするな」ということである。
何を偉そうな、所詮食べるために働かなければならず、お前の言っている事は詭弁だと反論する向きもあろうが、敢えて私は申し上げるのである。
人は食べるために働かなければならない。それはその通り。
しかし、多くの色々な業界の人に会っていて、特に成功をしている人の概ね、食べるための大変さより仕事をしている楽しさの方が前面に出てくるのである。
そうした人は会社を褒めこそすれ、上司の悪口を言うことも無い。嬉々としたその表情を見ている内にこちらも安心して、その人を信頼する。
一方、上司や会社の悪口を言っているような人(私は交わらないのだが)は魅力が全くない。魅力どころか自己弁護と言い訳の塊のようなそうした人物は当然のごとく回りから嫌悪される。
奥田碩氏が講演で日本人も嫉妬からそろそろ賞賛のできる国民になるべきだと言ったときに、もうひとつ経営者にオンとオフは要らないと言った。その後の私の座右の銘になるその言葉だった。
退職したら蕎麦打ちをするといのは私の辞書にはない。やりたいなら、今やるべきである。なんで短い人生嫌いな事をして生きていかなければならないのだろうか。
だってそうでしょう、人生にオンもオフもないのだから・・・・・
どうしたら食べていけるかという話ほどつまらないものはない。どうしたら楽しいか、好きな事を話す方が何倍素敵であろうか。
美味しい料理の話、楽しい旅行の話、これから完成する家の話、昨日乗っ面ツルの波乗りの話・・・
そうした事を共感できる人と一緒に仕事や遊びもする、それで良いのでは・・・
以前にも書いたけど私の幸せの方程式を再掲する。
幸せ=happiness=√(健康)×(人間関係+価値の共有時間)
※√は全体にかかっています。健康は係数です。