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2013年7月4日木曜日

ニューヨーク・ニューヨーク

ニューヨーク・ニューヨーク

747はシラキュースの上空を通過し徐々に高度を下げた。この辺りはニューヨークの分水嶺である。分水嶺とは英語でwatershedという。峰の反対側に降った雨は決してマンハッタンには流れて来ない。
JFKは古い空港である。多くのターミナルは改装され綺麗になったが、日系の航空会社が到着するこのターミナルは昔のままだ。飛行機の発着表示板も今では珍しくなったパタパタと音がする旧式のものだった。帽子を被った制服を着た係の黒人の男性がカートを集めている。カートは蛇のように長く、くねくねと身をよじりながら所定の場所に吸い込まれていく。
イエローキャブはブルックリンブリッジを通過しようとしていた。運転手の男は頭にターバンを巻いていた。私の方をちらりとみるや日本人であることを確認すると、急に無言になった。私も無言のままぼんやり川沿いの高級アパートメントを眺めていた。ルーフトップでは新聞を読みながら日光浴をしている婦人がいた。
イエローキャブはチェックインとチェックアウトか重なり、混んでいるホテルの玄関を避け、裏通りに車を停めた。私はきっかりのチップしか払わず、荷物を持ち上げエントランスに向かった。運転手はチッと唾を吐きながらアクセルを吹かして、消えて行った。
このウォルドルフアストリアホテルはニューヨークでは由緒あるホテルだったそうである。もっとも近年では近代的タワービルヂングを建設し、宿泊者数を大幅に引き上げたので、私のような物見遊山の客も多くなった。
フロントでチェックインをしようとすると、年端のいかないフロントマンから先程入ってきた裏通りのデスクでチェックインをするように指示された。程のいい差別である。私はマネージャーを呼び、団体旅行でない事、さらにそのフロントマンの行為は人種差別であると痛烈に抗議した。お陰で部屋はワンランク上の部屋に変わったのであるが。
このホテルを選んだ理由は、今回是非食べてみたいと思っていたエッグベネディクトがこのホテルで発案されたとされる説があるからである。もちろん一説に過ぎないのだが。それは1894年、ウォルストリートの株の仲買人であるレシェル・ベネディクト氏が二日酔いの食事に何か軽いものを頼んだのが始まりであるというものだった。
もちろん別の説もある。こちらは後世にレシピまで発見され真贋論争に真実味を持たせたもので、ニューヨークのデルモニコスというレストランで1920年にイライアス・コーネリアス・ベネディクト氏が食べたとされるものである。いずれもベネディクト氏が食べた訳である。この料理が軽いと言う感覚自体、日本人には受け入れがたいと思うが、ようするにそうした由来なのだそうである。
そのホテルで食したエッグベネディクトは値段こそ高いものの、普通だった。いや、普通以下だったと言うべきだろう。それから色々な所に行ってこの料理を頼んでみたが、どれも大味で、総じてアメリカーンな味である。もはやこの料理はこれまでかと思っていたある時。
友人が社長をしていた汐留の外資系高級ホテルのレストランでこの料理を聞いてみると、あるというのだ。メニューにはないが作れるというのだ。早速、注文してみた。ビールを飲みながら待つ事暫く。そのエッグベネディクトは運ばれてきた。
白い大きな皿の上に丁寧に焼きあげられたマフィンが載せられ、その上に彩りよく調理されたホウレンソウが型に抜かれ乗せてある。そしてその上にピンク色のスモークサーモンが控えめに飾られていた。掛けられているオランデーズソースは新鮮な卵の黄身の色をしている。
口に運んだその瞬間。ウウ・・・旨いじゃないの。これ。ぜんぜん、アメリカーンじゃない。美味しい。サーモンもこのソースに合っているし、ホウレンソウがアクセントになっている。飛行機で1万キロ以上飛んで食べに行った本場のエッグベネディクトは何だったのと後悔することしきりであった。
会計を済ませ、レシートを見ると。目が点になった。***千円!!!もはや朝食ではない。

追記 このゴードンラムゼイが今年の5月に閉店したと言う。日曜日や月曜日に店を閉めていたので、ホテルのメインダイニングなのに大丈夫だろうかと心配していたのだが的中してしまった。ワインが高いとか巷では評価を二分しているようだったが、奇をてらわない本格フレンチはどれも美味しかったし、ソムリエにお任せしたワインは手ごろだった。何よりここのローストターキーはこんな美味しいターキーを食べた事が無い最高の上物だった。それもこれも友人のお陰である。持つべきものは何とやら・・・それでも季節は移ろう・・・同じ事は2度ないのである・・・



出店 ウォルドルフアストリアホテル
   コンラッド東京「ゴードンラムゼイ 閉店」






2011年7月1日金曜日

Balducci's NY

NYに住んでるわけでもないのにまたNYの話題で恐縮ですが、「Dean&Deluca」と最後まで日本に導入するとしたらどちらが良いか、友人と比較していた高級スーパーマーケットにBalducc'sがありました。場所は確かグリニッジの近くでした。

Bのマークが目印の大型食料品店です。

ショーケースに並べられた食材の多さではこちらに軍配があがります。各コーナーのチーフと思しき人達が自ら市場に仕入れに行って調理するとのことなのでお味は保証付きです。

では何故、前者が日本に持ってくるとしたら良かったのか、それはネーミングです。

バルドウィッチは覚えられるようで覚えにくいものです。私も忘れることがあります。そこへ行くとディーン&デルーカは覚えやすい。さらにデルーカというイタリア系の名前が何となくイタリアンな食材を連想させます。

もしNYに行く機会がありましたならば、是非このバルドウィッチに足を運んでみて下さい。楽しめますよ!!

写真は同社のHPよりお借りしました。

そうそうBマークのキャビアもありました・・・・・今度試しに購入します・・・




2011年6月30日木曜日

PETROSSIAN CAVIAR

当時M商事に勤めていた友人と今度日本に持ってくるとしたら何が当たるだろうねと話していた時、筆頭に挙げられたのが「Dean&Deluca」でした。もちろん当時は日本にはありませんでした。

やっと生牡蠣のバーがほんの少し出来始めた日本でしたが(NYのグランドセントラル駅のオイスターバーはすでに有名)私達が注目したのが、キャビアレストランでした。



マンハッタンの中心にペトロシアンというキャビアレストランがあります。このレストランはパリにもあり、NYとPARISのみです。

お店は重厚なクラシックな作りでキャビアはロシア政府より公認されているだけあって質の高い素晴らしいものです。さらにここのケーキやデザートも有名なのです。

日本人にはまだ馴染みのないキャビアかもしれませんが、今日のような熱い日にキリキリに冷やしたシャンパンやドライな白ワインで合わせたらもう至福の時です。

キャビアをとるチョウザメの種類によってBeluga=ベル―ガ=おおちょうざめ、Oscietra=オシュトラ=ロシアチョウザメ、Sevluga=セブルーガ=ホシチョウザメに分かれます。当然、ベルーガ、オシュトラ、セブルーガの順に成長が遅く、値段も比例します。

もしNYに行かれる機会があり、キャビアを食したいというならば、通の間でしか食べられていない、Pressed Caviarをお薦めします。これはキャビアのプツプツとした食感こそありませんが、ねっとりしていて甘みが口の中に広がり最高です。つぶれてしまった色々なキャビアを混ぜて作るのでその味も楽しめます。値段は確か3分の一以下だったと記憶しています。普通のキャビアはg300ドル近くしていましたから・・・





余談ですがロシアでは魚の卵のことを全て「イクラ」といいます。イクラはロシア語だったのです。

横浜の山下町あたりにこんなお店があったら間違いなく、今日行きますのに・・・・・残念

写真はペトロシアンのHPよりお借りしました。

HPで知りましたが同店のCafeがウェストハリウッドにあるようです。こちらはいくぶん日本に近い??

2011年5月26日木曜日

カッティングエッジ N.Y

スモールラグジェアリーの手本としてアマンリゾートやスプレンディドを取り上げたばかりですが、人生と同じホテルも休息と覚醒が必要です。

覚醒と言えばやはりNYです。我が社のT女史はTVドラマ「セックス&ザ・シティ」の大ファンだそうですが、ドラマさながらのカッコいい街です。

フィリップスタルクが手掛けてメルクマーク的存在だったロイヤルトンも若手建築家チーム、ローマン&ウィリアムズによって大幅にリノベートされNYの時間の速さを感じさせます。

さらにイーストサイドで老舗のマークもフランス人デザイナーによって改修され、ジャンジョルジュによってレストランは監修されました。

そんな中、最も耳目を集めているのがエースホテルニューヨークとザ・スタンダードホテルニューヨークです。どちらも週末になるとクラブのラウンジ宜しく宿泊客以外でごったがえしています。



さらに元印刷工場をホテルにしたインクフォーティエイトホテルはレストランに「プリント」「プレス」という名前のつけようです。

船乗り専用の宿をリノベーションしたザジェーンは映画「バートン・フィンク」をイメージしています。

内部から進化している街がNYです。

80年まで使われていた高架線の荒れ地を公園をつくり、南端にはホイットニー美術館をつくるなどしていますから見どころ満載です。それにどこかの国のように、保身を考えて都市計画をしていません。どうしたら市民が気持よいのかそちらの方を優先して考えています。日本だったら浮浪者が寝泊まりするからベンチは寝られないように仕切りが付けられていたりします。まったく本末転倒の例えです。愚痴ってしまいました・・・・

古い廃線の建物は映画「ボーンコレクター」の舞台のようですね・・







休息と覚醒どちらも生きるために必要なものです・・・・