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2014年4月3日木曜日

ものづくりの幻想

日本はものづくり大国だと勝手に自らを褒め称えて胡座をかいていたら、中国や韓国にさっさと追いぬかれ自らを存亡の瀬戸際まで追い込んだ日本の業界の重鎮たちは今何を考えているのだろう。

私はもともと工業製品にまでその裾野を広げてものづくりの思想を広めるべきではないと思っている。一部の伝統工芸品や技能を除いてものづくりの優秀性を叫ぶのは痴がましいと思っているからだ。

日本の大手家電メーカーはアメリカやドイツの優秀な製品のモノマネをして、安い商品として売り出したから売れた。日本だってほんの数十年前まで中国や韓国のように先進国の工業製品を模倣していた。それが本家本元のようにして他国の製品の悪口を言うのはみっともない。自分たちがやってきたのに中国や韓国を悪者扱いするのはとんだ了見違いである。

人間も同様である。自らが先生だと思ってしまった人間には成長はない。いつまで他人の良い点を吸収する永遠の生徒しか生き残れないからだ。
日本のメーカーが全て先生として優等生を気取っている訳ではない。自らの社名を黒塗し、技術だけ進歩成長させ、知らぬ間に世界のシェアナンバーワンになっているメーカーも有る。そうしたメーカーの特徴は決して背伸びせず、自らを虚飾で上塗りせず、身の丈にあった経営をしている。そう、人間と同じなのだ。


※台湾の自転車メーカージャイアントの商品を観て