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2018年1月16日火曜日

ラブラドールとシャルドネ

 我が家には10か月になる茶色のラブラドールの女の子がいます。すでに3代の犬を飼っていたので犬の躾は大丈夫だろうと嵩をくくっていたら、子育てを忘れていた孫のような扱いに犬も知ってかしらずか、中々言うことを聞きません。これはまずい犬のためにならないと育児書を引っ張り出して親業を一から始める始末です。
 我が家のラブラドールは茶色ですが、父親はイエロー、母親はブラックだそうです。中学の時に教わった優性遺伝というものらしいです。ですから、祖父母のどちらかが茶色ということになります。
 ところで話は変わりますが、ワインの葡萄の品種として今では広く膾炙しているシャルドネはラテン語のCardonnacumという言葉が語源のようでその意味は「シャルドン=あざみで一杯の土地」だそうです。
 このシャルドネはピノ・ノワールとグーエ・ブランという葡萄の品種を両親に持つことが、フランスとアメリカの二つの団体のDNAの共同研究で昕にされました。父は赤ぶどうと母は白ぶどうということになります。反対でもいいんですけどね。
 そしてこのシャルドネの特徴は何と言っても色々な土地に適応できることだそうです。
カソリックの修道士たちによってフランスの各地に広まっていった様子が容易に想像できます。
 この母方のグーエ・ブランという品種はあまりに質が悪いので、フランスでは栽培が禁止されているほどですが、しかしながらその歴史は古く3世紀まで遡るということです。そしてこの二つの交雑によって実に様々な葡萄の品種(アリゴテ、ガメイ、オーセロア、ミュスカデなどなど)が生まれ、各地に定着していったようです。
 生物の持つ多様性と将来はDNAの二重螺旋のように絡みながら、陰と陽の如く、現れては消え、消えてはまた現れる。中々、感慨深いものがあります。


2013年12月8日日曜日

判官贔屓 ボジョレーワイン

バブルの頃にはテレビでボジョレーヌーボの解禁日には世界で一番早く新酒のワインが解禁される国とあって、深夜なのにお祭り騒ぎで沸き立つ消費者をあちこちの局で取り上げていました。ところが今日ではほとんど話題にされないどころか、ボジョレーワインは味が薄くて美味しくないと放言され肩身の狭い身分となってしまった感が歪めません。あの無馬鹿騒ぎは要らないとしても判官贔屓の私としては少しだけボジョレーワインの味方をしたいと思うのです。

そもそもボジョレーワインは味の薄いワインでしょうか。半分マル、半分バツだと思うのです。ボジョレーワインの葡萄は他のブルゴーニュと違いガメイ種という葡萄を使います。この葡萄の特徴はピノ・ノワールのように長期の熟成にはあまり向かないと言われていて、よってすぐ飲めるようなあっさりしたワインが多いは事実です。ところがこのガメイ種でワインを作っているのはこのボジョレーやマコンの一部の地域に限られ、フランスでも非常に珍しい葡萄なのです。
歴史の勉強になりますが、ブルゴーニュにブルゴーニュ公爵フィリップ豪胆公という人がいて、覇権を握っていました。こういう人が権力を持つと自分の好みを万人に押し付ける傾向があります。よってワインを作る農民にガメイ種の葡萄を使ってはならんという御触れを出したのだそうです。なにせ豪胆であるから。お触れの名前はガメイ禁止令。これによってブルゴーニュのほとんどはピノ・ノワールを栽培するようになり、ガメイ種は他では作られないようになって、細々とボジョレーとマコン地区で生き延びることになったということです。
先程の半分バツのことについて補足します。つまり、ボジョレーワインでもある程度骨格のしっかりしたワインも存在するのです。ロマネ・コンティやミジュニーとは様相は異なりますが、しっかりとした風味は味が薄いなんて言わせないものです。こうしたワインは料理にも合います。ジビエや鴨肉など濃い味のものは避けるにしても、鶏肉や豚肉の料理にはこちらのほうが良いと思えることもあります。ただし、ヌーボーは駄目です。最低でも1年以上寝かせたものでなければ合いません。
もしあなたも判官贔屓ならボジョレーを是非飲んでくださいませ。それでも購入したボジョレーは飲めないと言う人はホットワインにすることをお勧め致します。これなら寒い冬の夜身体を芯から温めて幸せな気持ちになりますから。







2013年11月21日木曜日

ワインの話

ワインの話

 恵比寿の路地裏で店を15年やってきた。当時の私は日本酒やビールの味はそこそこわかっているつもりだったが、ワインとなるとからきし駄目だった。それでもバブル景気のせいかお客からワインを聞かれることも多くなっていた。もちろんそれ以前にもワインは飲んでいたがいつも頭の痛くなるような酷いシロモノばかりだったのでワインに対する印象は悪かった。
 そこで意を決して日本橋の高島屋に行きワインを買った。当時8千円近くしたと思う。買ったワインはシャンベルタン。ブルゴーニュの赤ワインである。何故このワインを買ったか。それは名前がかっこよかったからである。他のものは舌を噛みそうで頂けなかったからだ。当時はデキャンタージュもマリアージュもあったものではない。帰るやいなやコルクを開け、小さな安物のワイングラスに注いで飲んでみた。色も薄く、香りも感じられない。ちょっと酸っぱいような変な味だった。どこが良いワインなんだと勧めた店の人を恨んだ。そのような経験が災いしてか店で置いたのはオーストラリアのワイン、値段も手頃のワインが多かったが、本当に美味しいとはあまり感じられなかった。

 それからしばらくして二人のワイン通からカリフォルニアワインを教わった。リーズナブルなのにハズレがない。特にシャルドネの白ワインはさっぱりしたものから、重厚でこくのあるものまでバリエーションもあって飽きが来ない。それにひどい二日酔いもなくなった。今も冷蔵庫とセラーにはこのカリフォルニアワインがいつでも抜栓できるようにスタンバイしている。

 ある三ツ星レストランに行ったときに、それぞれの料理にワインを合わせてくれた。ランチだったので料理は9千円以下だったと思うが、ワインがその料理と同額だった。前菜で供された貝の料理に合わせられたのが20年もののムルソーだった。貝を口に運んだ後にムルソーを飲むと石灰質の土壌から吸い上げられたミネラル分が口に残り何とも言えない美味しさが広がった。そしてメインの魚料理にはカリフォルニアのシャルドネが合わせられた。ジャッジだった。先ほどのムルソーとは違う酸味もあり力強さと濃厚な味が肝を使ったソースと絶妙の火入れされたマカジキと上に載せられたホウズキの酸味と絶妙にマッチしていた。なるほどワインとは料理によってここまで味が変わるのかと三つ星レストランの凄さに驚嘆したものだ。それ以来、このワインはどんな料理とあうのかといつも考えるようになった。

 ワインは講釈より飲んでみなければ分からない。講釈は要らないという人がいる。確かにそうだと思う。でもワインを知ることはちょうど何故勉強しなければならないのかという問に似ている。そう勉強というのはいつ使うか分からないような無駄な知識を頭に入れる作業だからだ。無用なことはしないという合理主義者ならば別だがこの歳にして思うのは人生とはその無用なことが肝要なことのような気がする。ワインのラベルを見てそのワインが生産されたぶどう畑をイメージして、収穫された時の気候や温度、景色の色まで想像してみる。確かにカリフォルニアはとてもわかり易い。決して劣るとかという話ではない。ただそれに対してブルゴーニュは難しい。ブルゴーニュで美味しいワインと出会うのは10本に1本、いやいや100本に1本かもしれない。それほど飲み頃や相手(食べ物)を選ぶ。でもそれが魅力であるのも事実。難しいからこそ最高の一杯に出会った時の感激は言葉では言い表せない。天然の採ってきたばかりの舞茸を天ぷらにして合わせたボーヌロマネの美味しさは4年たっても口の中に残っている。








2013年11月13日水曜日

舌の記憶


私の好きなビストロでのディナーは大変満足のいくものであったがワインについては己の経験と知識のなさにやや自己嫌悪に陥った。ソムリエ殿には大変申し訳無いがワインというのは好き嫌いがある。その好みまで観慮してワインを選ぶということはなかなか難しいのであるからソムリエ殿に文句をつけることではない。私が拘っていたところは鴨というジビエひとつとっても季節、その調理法によって選ばれるワインが異なってくるということだ。実は美味しい料理を楽しんでもらいたいとの一念から前々日に鴨を料理し相性を確かめてみたのだ。野生の鴨は入手困難だったので京鴨を用いた。骨もないので軽くローストしてキャトルエピスで味付けした。

フランス料理のワインとの相性ではそのソースに近いワインを選ぶという基本がある。ところが当日作ったものはローストで鴨の味が直接舌に来る。この場合には開栓したばかりの南ローヌのグルナッシュではバランスが取れなかったのだ。翌日、一日置いたそれはかなり相性が良くなっていたがまあまあという出来栄えだった。
そこで私はやはりサルミソースのコクを考え、ブルゴーニュのシャッサーニュモンラッシ・プリミアクリュを選ぼうと決めていた。このワインは高年齢の樹木を用いるため輪郭がはっきりしていて落ち着いている。ところがどうだろうそのワインは品切れとのことである。その代わりに選んだのがシャンポールミジュニー2011である。ミジュニーらしい薄明るい液体は果実もあり滑らかであるがいかんせん若すぎる。恐らく樹齢は20年も経っていないのではないか。ミジェニー村はぶどうの病気によって多くの樹木を失っていたからだ。それとあまりにも早く供されたため魚のサーブの時にこのワインが注がれる始末だった。これはいけない、ワインは全く料理とかけ別の味わいとなって胃袋に消えてしまった。

メインの青首鴨のサルミソースが運ばれてきた時にはワインのグラスは空なっていた。しかたなく、ジゴンダスを頼んだ。グルナッシュらしい軽さと渋さが口元に残りローヌらしい力強さを感じたが如何せんフルーティ過ぎる。鹿肉には良いだろうが、この店のサルミソースは軽く仕上がっているので相性は今ひとつだった。やはり強すぎるフルーツ香が邪魔をする。

何故そうなのかと少ない経験と虚ろな頭のなかから昔のページを紐解いてみる。今から5年前にカンテサンスで鴨を食していた。その時のメニューはシャラン産鴨のロースト島らっきょソース、鷹が峰とうがらし添えというものだった。季節は8月。そうさっぱりとした家禽に近い鴨を軽めのソースで仕上げたものだった。これにソムリエが合わせたのが先ほどのシャンポール・ミジェニーだった。そうか私の試験は間違っていなかったのだ、だからローストのようなさっぱり軽めにミジェニーを合わせていたのだ。ということは少なからず肉の個性の強い青首鴨のサルミソースにはよりはっきりとしたワインのほうがあうということだ。グルナッシュを一晩寝かせたような滑らかさ、数年前、天然の舞茸に合わせて供されたワイン・・・・そうやはりピノ・ノワールしかない。あの時のボーヌロマネのように・・今閃いた・・・








2013年11月8日金曜日

テロワール

ロワール

その男は湖を眼下に見下ろす暖炉の前でイームズのラウンジチェアに脚を組みながら一人ワインを飲んでいた。指先を少し広げたチューリップの形をした大ぶりのグラスにそのワインは注がれていた。
ボトルには擦り切れたラベルにVosne-Romanee 1er Cre Cros-Parantoux 1979と書かれている。グラスに注がれたワインは縁に雫を残しながら底に落ちていく。沈む太陽を見送るようにわずかに残った青空に映しだされたその液体はすみれ色に染まりながらゆっくりと溜飲される。
男はこのワインのアペラシオンを見学したことがある。ブルゴーニュでは土壌、気候、ぶどう品種を総じて=テロワールと呼ぶ。そしてそのことが特に大切にされる。前年にどんなに良いワインを作ったとしても天候不順でその力量を伴わない年には生産されない場合もある。もっともこれは地理的な特徴が大きく、ブルゴーニュがボルドーと比べてより北にあり夏の日照時間こそ変わらないものの、夏暑く、冬寒い大陸性気候が南部より顕著でしかも春の降水量が多く、収穫期の秋に少ないというワインにとっての最高の条件が重なるからだ。そして結果的により敏感で繊細なワインを作ることになる。
ブルゴーニュの土地の特徴は石灰質だという人がいる。間違ってはいないが正しい表現ではない。白ワインに有名なMONTRACHETがある。これは禿山と言う意味である。この言葉が表すようにブルゴーニュの土地の多くは母岩の上に薄い表土が重なり、一般的には山の頂に近いほど表土が薄くなる。だからMONTRACHETになる。
ブルゴーニュの母岩は一般的にバジョシアンとバトニアンというジュラ紀のものである。つまり石灰岩が主岩である。たからひとくくりに石灰岩質と呼ばれる事が多い。この母岩により土地に自然な起伏が生まれ、斜面上部は表土が薄く、小石が目立ち、下部は泥灰岩層が入る。平坦部の表土は酸化鉄の多く含んだ粘土質が多くなり赤っぽくみえる。
このワインは数年前までアンリ・ジャイエという著名な醸造家によって創りだされていた。残念ながら彼は他界し現在では親戚筋にあたる人物が代わりに作っている。人は変わったが現在でも先代の醸造法を頑なに守っているようだ。
クロ・パラントゥーが生産されるのはリュシュブールの斜面に位置する。馬の背に近く北東を向いているため特に冷涼である。小石が多く粘土石灰岩質にさらに泥土が混ざっている。男はその畑が特に赤っぽく見えたことをぼんやり思い出していた。
男は昨日、日本から戻ってきたばかりだった。男はジュネーブ空港で着ていたカシミアのコートを車のトランクに放り込み、迎えに来ていた運転手にアヌシーの街に行くように告げた。空港から市街まで20分ほど掛かる。程なくして真っ白なベントレーは滑るように酒屋に横付けされ、運転手がドアを開ける間もなく男は早足で店内に入っていった。
男は日本に行く前に酒屋の店主にあるワインを探してくれるように頼んでいた。男はもし手に入るならば相場の三倍を出すと店主に約束した。店主は知り合いのワイン商やレストランのコック達に片っ端からこのワインがあるか聞いて回ったが、そんなものあるわけないといった反応がほとんどで誰も店主の話を真面目に聞こうとはしなかった。もっとも年代物のワインというものは特に当たり年のワインは値が張るがまだ市場に存在する場合がある。しかし、当たり年でないものはさっさと市場から消えてしまうからだ。
男が日本に着いてから5日目の日だった。酒屋の店主から男に電話が入った。リヨンにある小さな知り合いのレストランで1本だけこのワインがあるという。それも石造りのセラー内で定温貯蔵されていた状態のよいものだった。それをレストランでは譲っても良いという話だった。男は値段を聞くまでもなく、店主にこのワインを買うように伝えた。
男は早速酒屋の主人に代金を払い、ワインについてあれこれ説明しようとする店主の口を塞ぐようにさらに手の中にチップをネジこんだ。店主は何も言えず笑みを浮かべただその男が乗る白いルールスロイスを見えなくなるまで見ていた。
男はそのワインボトルを労るように隣のベージュ色のコノリーレザーのシートの上に寝かせ、上から小さなドキュメンケースをボトルが揺れ落ちないように被せ、運転手に注意して運転するように指示してから目を閉じた。
車はつづれ折りの山道をゆっくりと駆け上がり、雪を頂いたモンブランが遠くに見える頃にはアヌシー湖は眼下に小さくなっていた。



-つづく-



2013年10月21日月曜日

CARRERAとCALERA


carreraとはそうポルシェ911のことである。私が50歳を過ぎたらなんとかして乗りたいと思っていた車であり、少し遅れたが念願かなって今手元にある。

私のクルマ遍歴は30年以上になる。自分の中でルールを作っていた。50歳まではスポ―ツカーとベンツは所有しない。理由は簡単、若い自分には似合わないから。

ある人が私に言った「どうしても新車が乗りたいなら国産にして10年以上乗りなさい。もし会社に利益が出て、できる限りお金を貯めたいなら中古の輸入車に乗りなさい」

私は理由もわからずただその言に従った。そして20年続けてきて今になってその理由がはっきりと分かる。人には好みがある。跳ね馬のスポーツカーも、悪魔のような名前のランボルギーニも乗ってみた。確かに一度ハンドルを握れば官能的ですらある。でも私には金庫のように堅牢で面白くはないかもしれないが勤勉で真面目な固くしまったボディで必要以上に咆哮をあげない911以外に所有したいと思う車は今のところ見当たらない。

初めて911のハンドルを握ったのは20年近く前、あんなにも運転の難しい車があったろうかとその時思った。上り坂で前輪が浮いてハンドリングが効かない。ジムカーナや悪路で腕を鳴らしたつもりがガードレールにぶつかりクラッシュ寸前の目にあった。そして50歳を前にした現代の911に試乗した。もはやそれは当時のようなじゃじゃ馬ではなく、ジェントルにして大人の風格を携えていた。そしてやっと手に入れることが出来た。本来なら素のカレラで十分だったのに縁あってsがやってきた。先程、ジェントルといったがそういう運転も出来るということで、本来のスボーツ性能は色褪せていない。

跳ね馬もそうだが、高回転型のv型エンジンというのは低速で転がしているとブスブスと嫌な音がする。特にv10など低速走行は苦手でサーキット以外は適さないと思う。その点フラット6はブルンという震えが一発で止まり、低速からトルクが盛り上がる。
こんな話もevになったら「何?」の一言で消え去ってしまうのだろうが今のところもう少しご容赦願うことにする。このcarreraはスペイン語でレースの意味だそうである。メキシコの公道を使ったレースにこの名前が冠されてもいる。


もうひとつ建築関係のお仕事に携わっておられるなら、イタリア産の白い大理石をビアンコ・カララと言うのをご存知だと思う。そうこちらの方はワインのcarelaのそれと同じで「石灰質」のと言う意味がある。偉大なるシャルドネの白ワインを作るにはこの土壌がとても大切である。

carela がカリフォルニアのロマネ・コンティと言われるには理由がある。当主がdrcで醸造の手法を学んだばかりでなく、その若木を持ち帰り植えたことに由来するというから、相当意識したのだろう。私も先輩や友人に勧められてこのcarelaをよく飲んでいた。ところが数年前から品質が急に悪くなった。いや確かに悪くなった。値段も急落した。理由は分からないが、インポーターのせいなのか、生産の問題なのか分からないが少なくとも魅力が失せていったのだった。ところがどうだろう数日前試しにと2011のシャルドネを飲んでみると、いやいやどうして良くなっているではないですか。

少し温まってくるとまずトースト、青りんご、ナッツの香りと複雑にアロマが重なってきて、牡蠣の殻のようなミネラル分を感じ、酸味は抑えられ喉奥に仕舞われた頃にはもう一度ブーケのような香りが鼻を抜ける。これは年代物のムルソーのように石灰質の土壌から懸命に水分をとるぶどう特有のなせる技です。この値段でこれは買わない手はないと思う。

ということで二つのカレラ、今のところ私は大変満足している訳です。




2013年4月11日木曜日

Convivialite


Convivialite

妻の友人が私の一押しの京都のイタリアンレストランに行ったが本人が期待した程ではなかったと言う。彼女が行ったのはランチで決められたコースをチョイスしたようだったのだが。
私が八坂のこの店に行ったのは娘が嫁ぐ前日である。イタリアン好きな彼女だということもあったが、家族で記念になる食事を味わいたいと1カ月前に予約を入れた。

私は辻静雄氏を敬愛する。彼の料理に対する情熱は料理人としてのそれに文化人としての枠閾をなぞって余りあるものだ。その辻氏もさらに彼の後輩でもある山本益博氏もよく使う言葉にコンビバリティというフランス語がある。直訳すれば「皆でテーブルを囲み、楽しい時間を共有する」といった意味だ。
そのために何が必要か?それはその料理とサービスそして時間を繋ぐホストの存在であると山本氏も言っている。子供にメニューを決めさせるような日本では食に対する真摯な対応が難しいし、このホストが不在の場合が多い。ホストに求められるのは単なる知識の詰め込みではなく、料理人やサービスマンへの気配りである。欲を言えば彼らがやる気になるような労いも必要である。

ワインも同様、全てソムリエに任せるのは無難な方法だが、どんな料理とこのワインが合うのか想像する楽しさを捨ててしまっている。
例えば5月下旬の初夏の様な陽気の時には、「今日の様な暑い日に鱸のパイ包み焼きにあわせてさっぱりだが力強いワインが欲しい」と言ってみる。我前、ソムリエのやる気が変わってくる事請け合いである。
難しいことではない。自分の心境を吐露すればいいのだ。

白金台にある三ツ星フレンチに行った時である。料理のレベルはもちろん高く、一切の妥協なき料理はこれならばと、三ツ星を納得するものであったが、その料理を繋ぐソムリエがまた素晴らしい。料理にあわせて次々に出てくるワインはこの料理にしてこのワインの手本のようだった。ふた皿目の貝類にあわせたワインは年代物のブルゴーニュでミネラル分が多くそのワインのテロワールが感じられ目の前にはワイン畑が見えるようだった。そして最後は抜栓したばかりのカリフォルニアのシャルドネだった。デザートと併せてまるで私達をジャッジしてくれとばかりだった。これには降参だった。

もうお分かりだと思うが、素晴らしい店を作るのもまた客なのだと山本氏も言っているがその通りだと思う。その素晴らしさを引き出すのは客なくして出来ない。そして一流の料理店には一流の客がつくものなのだ。料理との出会いは一期一会、そしてその先にいる料理人やソムリエとも一期一会であることを肝に銘じるべきである。私達は美の食の国に生まれたのだから



2012年3月18日日曜日

ワインの話  赤ワイン

飲まなければ始まらないというのが私のワインへの考え方です。

その点白ワインはテーブルワインから最高峰のワインまで一応飲んだことがありますので、大体の特徴は分かります。

そこへいくと赤ワインはその天井がとても高く、ボルドーは何とか飲めたとしてもDRCをはじめとするブルゴーニュは未知の領域です。

白ワインも色々なワインを試して好き嫌いを判断しながら最終的にはブルゴーニュのムルソーやモンラッシに行き着きましたが、デイリーはもっと軽やかなものの方が好みです。

A**さんには申し訳ありませんが、あの程度の白と赤では満足とは程遠いものです。値段じゃなくて質という面で・・・

このワインは少し前に仕入れてカーブで6.7年寝かしていたものです。DRCのラターシュの畑と同一(DRCの畑の中にあるような)ドメーヌなのです。なのにラターシュの値段の1/10です。

ワインは丁度良い飲みごろのすみれ色です。一口飲むとすーと花の香りが鼻腔に広がり、その後舌の上では軽いアーモンドをローストしたような味がして、最後にタンニンが姿を現します。

まだまだ力強さが残っています。こんなワインにはチーズとパンで十分です。

シャルドネさくらが美味しいワインになると寄ってきます。今晩はブルさくらです(こんな名前の女子プロレスラーいましたよね??)

半分は一晩寝かせて明日の午後にでも飲むことにします。きっともっとまろやかになっているはずです。




2011年7月30日土曜日

ドイツワイン

ドイツワインというと甘いデザートワインや発泡性の安いワインを想像しがちですが、GWに飲んだワインは辛口でしかも香りもあり、酸味も押さえられたなかなかのものでした。

そのワインは一般の小売では売っていないのでインポーターから直接ケース買いしたのです。

そのインポーターの営業のS氏より電話をもらい、新しいワインが入荷したので試飲して欲しいので鎌倉に来るというのです。

ランチをしていたので少し遅れてしまいましたが、S氏がやってきました。

ひとつはリースリング、これはリースリングのくどい甘さはありません。特有の青りんごの香りと酸味です。酸味は強くはありません。飲み後のほのかな甘さも気になりません。

もう一本はさらに遅く摘んで甘いはずのものをしっかりドライに仕上げたものです。ドイツでは樽に入れるとランクが下がるのに会えて樽に入れなおして樽香をつけたものです。アルコール度数も13%と高く、請った作り方です。ただ、この樽香が私の好きな香りではありませんでした。

もう一本はゲベルツトラミネールという品種の葡萄をつかったものです。この葡萄はライチの香りがします。ただ、デザートワインなので私には向きません。

4本目はドイツワインなのにピノノワールと銘打っています。ブルゴーニュを相当意識した作り手で、スミレの香りとともにしっかりとしたタンニンもあり、舌先に残るざらつき感はピノというよりカベルネです。これはブラインドならドイツワインとは分からないでしょう。

営業のS氏も相当ワインの知識は詳しく勉強をしています。

ということでリースリングと赤を購入しました。

鎌倉ベースに半分用意しますので是非楽しみください。

2011年6月21日火曜日

フランチャコルタ ベラビスタ ワイン



イタリアのポルトフィーノのホテルでウェルカムシャンパンとして飲んで以来ファンになったフランチャコルタ、ベラビスタのシャンパンですが、実は白も少量作っているのです。

それがこのワインです。

エノテカさんで4本購入しました。もちろん2本は鎌倉行です(笑)

週末が楽しみです・・・・

2011年6月15日水曜日

TOR ルチアーナ シャルドネ

私は色々なところでワインを仕入れるのですが、カリフォルニアワイン、ニュージーランドワインについてはYanagiyaさんが良質なワインを揃えていると思います。

白好きの私としてはもちろんブルゴーニュの白ことマダム・ルロワのワインなど垂涎ものもたまりませんが、カルフォルニアもこれに勝るとも劣らない白を産出しています。

今まで飲んだ白ではキスラーのシャルドネ・キャスリーンが圧倒的に美味しかったのですが、今回、値段は3分の一で、かの有名インポーターN氏のところでは、これがあればキスラーは要らないとまで言わしめたワインがこの"TOR"です。その中でもこのルチアーナはトアー氏のお母様の名前だとか・・・

このトアー氏はベリンジャー帝国でその凄腕を発揮し、引退後、自分の好きなものを少量作ろうと始めたワインなのです。ですから年間わずか160箱しか出来ません。

楽しみが一つまた増えました・・・・


2011年4月4日月曜日

4月のお薦め チヂミライスバーガー ホウボウ


逗子マリーナのサーフライダーズのメニューが変わってからずいぶんと経ちますが、4月1日からこのチヂミライスバーガーです。

桜エビのバーガー、しらすバーガー、ガーリックシュリンプバーガーそしてこれです。

私の好みで言わせてもらえば 普通のハンバーガー>桜エビ>ガーリック>しらす>チヂミの順です(笑)

ひとつを部屋で二つに分けて丁度よいです・・・・

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逗子や鎌倉での楽しみは安くて新鮮な地元の食材を買えることです。

鎌倉の農協連の直売所では昼前なら珍しいイタリアンに使えそうに食材が揃います。

小坪の漁港横の魚屋さんでは、肌艶のよう活きの良いホウボウが2匹で370円です。

このホウボウは海の中では砂地に生息し、宝石のような綺麗な体色です。胸鰭や背びれは虹色です。私も数回見た事がありますが、可愛い顔をしているので食べるのが可愛そうになります。

さざえは活きている大きめのものが5つで1000円です。

今回は妻の高校時代の友人Y子が訪ねてきました。

シラスと大葉のパスタとさざえのブルゴーニュを腕によりをかけて作りました。

ボウボウは自宅に戻ってから鎌倉トマトを入れたアクアパッッアです。

七里のB***より美味しいのは当然です。合わせる白ワインはこれまた材木座ワインセラーでチョイスしたピェリー・モンラッシ09です。一日経つとまた味が変わります。

2011年3月10日木曜日

ワイン ケース買い

先日食べたフレンチの料理店で唯一このワインのセンスは良かったと思います。

もちろんテーブルワインで全てを求めるのは難しいと思いますが、総合点全てが3点(最高5点として)のものは中々見当たりません。だってこの価格ですよ!!!

そしてもう一つ1本飲んでも旨いと思えるかということです。

このラングドックの1本は中々なのです。鎌倉に半分持って行きましょう・・・


2010年12月24日金曜日

ジュラ ワイン


お昼寝ゴロゴロしながら飲んでいたワインがジュラワインです。

安いワインの代名詞のようですが、確かに癖があります。このシャルドネも干し草のような臭いがします。でもこの癖が時々欲しくなります。

さくらはペロッとワイングラスの縁を嘗めます。

午後の昼下がりのひとときです。

2010年11月29日月曜日

Geuge Rafael 2005

今回のハワイでBLTステーキハウスの美味しさに驚きを受けました。

またこのレストランのワインが凄いんです。グラスで15ドルなのにこのナパ申し分なしです。

日本にはまだ入っていないようです。

そのワインこそ「Geoge Rafael 2005」です。もしこのレストランに行く機会があったら絶対お薦めです。

サイドウェイズにも登場したダリオッシュのカベルネをもっと濃くしたようなバターの香りのするすごいワインです。

以下そのHPです。

http://www.georgrafaelvineyards.com/bio.html

2010年8月2日月曜日

CALLWAY WINE

ゴルフ好きの人ならキャロウェイといったら知らないひとはいないでしょう。

そんなキャロウェイがワインも作っているんです。シャルドネとソーヴィニョンプランの白を買いました。どちらも2千円未満!! お財布に嬉しいワインです。

シャルドネはさっぱりしていて夏向きです。

疲れた体に効きます!!

2010年7月30日金曜日

ラ・ターシュ(La-Tache) Chassagne-Montrachet Leroy

モンラッシェに赤があるの知っていましたか?



このルロアのシャッサーニュ・モンラッシェ・ルージュ最高です。驚くほどの凝縮感とミネラルを感じさせる舌触りです。さすがルロア女史脱帽です。我が家にはこの他にはルロアの白が4本あります。

それとこの言わずと知れたDRCのラ・ターシェの凄いことといったら半端じゃありません。以前の出来の悪い1967年ものを一度グラス1杯戴いたことがあるのですが、それだって物凄いパワーでした。


これは悪い年だから10分の一と言っていましたが、良い年のものは150万円以上するのでこれだって1本15万円以上!!恐るべしDRCです。

ブルに始まりブルに終わる、確かにそうかもしれません。偉大なブルは形容のしようがありません。

逗子に行ったら材木座にある湘南ワインセラーでブルの白でも仕入れて冷やして飲むことにしましょう。マルクかフィリップのコランあたりが狙い目ですが・・・・・・

2010年6月14日月曜日

ブルゴーニュプラン

暑い夏の日に爽やかなワインが飲みたくなります。気の抜けたプランが多い中、このワインのように適度なフルーツの凝縮感のものに出会えると嬉しくなります。

CHパルメは数回飲んだことがあり素晴らしいワインでしたが、この白もそのCHが手掛ける兄弟(姉妹?)のワインです。

こんなときはミモレットチーズの一かけらて十分です。

試験が明日の息子は飲みたいのに我慢しています。少し残しておきましょう。

2010年4月16日金曜日

カベルネフラン ロワール 田舎風テリーヌ

5月3日のホームパーティのために何品か試作しておりますが、やっと田舎風テリーヌが冷蔵庫で寝かされて食べごろになりました。

反省点と改良点として
①杏とレーズンが大きすぎて肉の味がしない 無花果のみ刻んで入れる
②レバーの臭みが少し気になるので本番はフォアグラに変更する
③ベーコンを巻くかどうか  妻は巻いた方が美味しいと言います

それに合わせるべくソムリエさんに選んでもらったワインがこのロワールのカベルネフランです。

最高のマッチングです。この料理にはひったりです。とろっとした濃厚な味ですが酸味は少なく、タンニンが肉を食べ終えた口をさっぱりさせます。これは最高のマリアージュです。旨いぞ!!!!!!!



2010年4月7日水曜日

WINE マリアージュ

パーティのワイン買い付け行きました。

一度、オイスターロックフェラーに勧められた(ここじゃないですよ)シャブリが合わずひどい目にあったことがあるので、今日は料理の詳細を話しながら恵比寿ガーデンプレイスのLaVineeで探して戴きました。
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帆立と青のりのテリーヌ牡蠣のEVオリーブオイル漬けに合わせるワインはこのサンセールです。

特 徴
サンセール北部のSURY-EN-VAUX村にある有名なポール・ヴァタンのドメーヌ。近年特に高い評価を得ており、中でも人気の『グランド・キュヴェ』は石灰質の強い土壌の高樹齢のソーヴィニヨン・ブランを選りすぐって仕込まれるもの。やや深い色合いで、熟した果実にミネラルの効いた非常にスモーキーな風味が強く、アタックは爽やかさがあるものの腰のあるしっかりとした風合い、凝縮感のある果実の味わいは全体の調和が見事。爽やかさと味わい深さの共存したような魅力があります。

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鶏肉のオージェ谷風煮込みに合わせるワインはこのジュライソンLAPEYREです。写真はデザートですが、奥から特別に出してくれた濃縮の高いビンテージ05年のSECです。


特 徴
南西地方の白の銘酒として最近特に注目されるジュランソンを代表する蔵元。早くから協同組合を脱退したジャン・ベルナール・ラリュが産み出すワインはこの地でもトップ評価を受ける。プティ・マンサンの遅摘み葡萄から仕込まれるスペシャルキュヴェは、コアペの造る最高級デザートにも匹敵する記念碑的なキュヴェ。輝くばかりのゴールドカラー、トロピカルフルーツや蜂蜜、ローストのニュアンスが渾然一体となる華やかさ、濃密な果実味はネクターを思わせる甘美さ、そしてこれだけの熟度を持ちながら絶妙にキープされる酸味が絶妙の調和をもたらす極上の出来栄え!


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ペリゴール風サラダにあわせるワインは ローヌのVINSOBRES CADENE OOARNAUDです。
これもビンテージの05年です。
 
特徴
ローヌの強い太陽を感じさせない雑味のない飲み心地、それはオーク樽を使わないオールステンレスによる新しいローヌを完成させました。今までにないローヌの極上品です。
焼き鳥や牛タンにもこれは合います。もちろん塩味のきいた砂肝にも最高の1本です。
 
 
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最後に田舎風テリーヌ(テリーヌ・ド・カンパーニュ)合わせるのはロワールのブルグイユのカベルネフランです。

特 徴
ロワール地方、ブルグイユの東にあるレスティーニュに1870年から続く歴史ある蔵元。現在5代目のサミュエル&ソフィー夫婦が二人仲良くワイン造りを行なっています(とにかく明るくいつも笑顔)。このキュヴェは自他共に認める蔵元の最高級キュヴェで、この地で最高の区画とされる北側の緩やかな南向きの斜面から生み出された平均樹齢80年のカベルネ・フランから造られたもの。スパイスやブルーベリーの香りがあり、純粋な葡萄ジュースのような自然な果実味、アフターのタンニンと果実のバランスが絶妙で素直に「美味しい」と感じるはず。凝縮度も強い2005年の力作。


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最後の物は表に出ていなかったものを奥まで走って取りに言ってくれた極上のロワールとのことです。今度のHPは是非ワインと料理の相性を楽しみながら味わってほしいと店主は思うのであります。