ベルナール・スティグレールはフランスの哲学者でハイデカーの技術論、時間論、デリダなどのを影響を受けた人です。現在(2006年より)ポンピドゥーセンターの芸術監を努めており、来日もし日本のテレビでも登場しています。
その彼の著作「技術と時間Ⅰ エピメテウスの過失」が法政大学出版よりこの2009年に翻訳、出版されました。フランス語の原書はとても難解で、この訳書もそれに忠実ですが、マスコミに進む人にはぜひ読んでもらいたい内容です。
技術進歩は人間に付加された時間を与えました。しかし、一方でこの付加された時間に人間は使われているのです。この技術進歩→人間→技術進歩という環状の途切れることなく続く収縮連鎖なのかもしれません。
エピメテウスはギリシャ神話に登場し、のちにパンドラと結婚します。兄がプロメテウス(先見)に対比して後悔とも言われます。