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2011年12月5日月曜日

京都通信 「瓢亭」 朝がゆ

ウェスティンホテルは南禅寺の近くです。昨日は昼食を食べすぎたので夕食はとても食べられませんでした。ホテルのプールで腹ごなしに泳いだものの、靭帯損傷した左足に負荷が掛ると靭帯がひっぱられて攣れてしまいます。まだまだ急激な運動は無理のようです。

朝食はまだ食べた事の無い瓢亭に予約してあります。






予約まで時間があるので南禅寺と琵琶湖疏水の周辺散策です。

南禅寺の境内に設置された疏水のアーチは如何にこの事業が京都にとって不可欠だったのか物語っています(強引に境内を通っているのですから)

疏水公園には水鳥たちが泳いでいます。大きなゴイサギが魚を狙っています。

妻は鳥の名前の由来を聞きますが答えません。自分で調べなければなりません(我が家の家訓です・・・笑)

皆様にはそっとお教えします。平家物語に天皇が(誰だったか忘れましたが)この鳥に五位の位を与えたとされることから、ゴイサギ=五位鷺といわれるようになったと言います。豆知識でしょ(笑)


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9時になり瓢亭に入ります。あっという間に予約客で満席です。

以前にも記したことがありますが、ここ瓢亭が渋谷のファッションビルに入っていたことがあります。

当然、こんな風情もなくビルのフロアーですから営業が芳しいはずがありません。ビルとしては目玉として入れたのでしょうから出て行って欲しくない訳です。

そんな理由から当時10万円の御節をビル側が買い上げていたのです。

私はその御節を大晦日に配ったことがあります。西は小田原、東は習志野までタクシーで配りました。当時の会社は上場前でそのあたりがいい加減でしたが、今なら現物支給としてご法度でしょう(笑)

そんな思いもあり瓢亭です。







夏は隣の本店でも朝がゆは食せるのですが、今の時期は別館でしかもうずら粥のみです。

これで4500円です。なかむら、魚清楼と食べた後では少し物足りなさを感じてしまうのは私だけでしょうか???

最終日は青空です・・・横浜はどうでしょうね

京都通信 西本願寺 東寺

駅の近くでつい後回しにしてしまう。本願寺と東寺です。

ホテル近くの西本願寺は浄土真宗大谷派の総本山です。龍谷大学もここの系列です。

新撰組の屯所も最初はここにあったようです。

一方、東寺は真言宗のお寺で、国宝の10分の1はここにあると言われる由緒あるお寺です。

残念ながら両方とも11月末日で展示は終了し、通常の拝観だけです。

大阪万博のときに京都に泊った時この東寺の近くだったことを思い出しました。

多くの仏像の中でも東寺の不動明王の姿が私には気になりました。これってほとんど直感ですね。

錦秋の京都、今年は例年より紅葉が遅く、彩りも今一つのようです。





京都通信 「魚清楼」 湖水料理

30年近く前に大津で仕事をしている時に、この店の名前を聞いた事がありました。
当然、平社員一年生の私がこの店に行くことはありませんでした。ただ記憶の奥にこびりついていました。

偶然、妻の友人でも有り、御主人は息子を現在の方向に向かわせてくれたk家のお二人がつい最近ここに行ったらしいのです。

京都からなら30分掛かりません。湖西線にて堅田をめざします。






落雁の名勝の浮御堂の隣りです。湖西の暮らしぶりをしばし散策です。

このあたりは比叡山の荘園で湖の通行の要所として栄えていたと聞きます。確かに比叡山がそぐそこにあります。

予定より1時間も早くついてしまいましたが、12時からなら大丈夫という事で案内されました。

部屋は浮御堂の目の前です。

年季の入った和服の女性が付ききりで料理をしてくれます。

まずは琵琶湖産の天然の本モロコです。炭で焼いて酢と生姜醤油でいただきます。

頭を下にすることで頭が香ばしくなり、油も回ります。一人で八匹は贅沢です。

この美味しさは筆舌に尽くし難いものです。以前、丸山で二匹をいただきましたがこれを食べたら驚きです。

生臭さは全く無く、甘味と爽かな油が口の中で溶け合います。これが本モロコの実力と恐れ入りました。

完全にノックアウトです。

NYから自家用ジェットでナパのフレンチランドリーに行く人がいると言っていましたが、東京から飛行機で日帰りで食べに来る人がここにもいるそうです。分かる気がします!!!




続くは天然の真鴨です。

まずはロースを焼いて塩胡椒で葱と食します。言葉が出ません。塩胡椒とこんなにも相性が良いとは驚きました。

新鮮な真鴨だからでしょう。旨すぎ!!



鍋は山椒と肉をミンチにしたものをまず入れます。そして薄切り肉と少しく厚いもも肉を混ぜて入れてあまり煮すぎないうちに拾い上げます。
だしはあくまで薄くサッパリです。真鴨特有の味と香りはジビエ好きにはたまりません。

天然の真鴨は油が少なく鍋の油は驚くほど少ないです。

最後までしっかりいただき〆は鴨雑炊です。








皆様、食べることが好きで鴨やモロコに興味をお持ちなら是非足を運んでみてください。

きっと私と同様に驚きを発見をすることでしょう。帰りがけに女将さんから、「本モロコが食べたいなら宣伝しないでおくれやす」と釘を刺されましたけどこのブログをみている人は特別ですので(笑)

いつからやっているのですか?と聞くと女将の答えは「室町からです」・・・・・歴史的スケール感が違います・・・・・

それにしても良く食べると妻は褒められていました(笑)

京都通信  京料理 なかむら



なかむらは柊屋の裏手、俵屋の前です。

以前はこれらの名亭に料理を仕出ししていたそうです。

まずは金沢の松葉蟹の身を大きなかに爪にもどしてあります。

京野菜と菊がアクセントです。



二品目は一子相伝の白味噌雑煮です。出汁を入れてないのが信じられません。蓋を開けるとまず焼きもちの香ばしい香りです。

この店の地下水が決めてという事はワインのテロワールに似ています。嘘だと思って一生に一回は食べて見てください。初めて体験になると信じます。










三品目は鯛と烏賊、よこわのお造りです。「よこわ」とはマグロの若魚のことです。

ゆず塩で食す。鯛が絶妙です。




四品目は蕪蒸しです。鏑にくわいと切り昆布が交ざっています。腕の下にグジがほぐしてあります。上に乗った雲丹の甘いことこのうえなし。



五品目はヒメジの飯蒸しです。

ここで細君の本領発揮です。妻はどこを探してもシメジが入ってないので目を白黒させています。

すぐ分かったので可笑しさをこらえることが出来ませんでした!!

シメジじゃなくてヒメジです。砂地にいる髭の生えた鯉のような魚をヒメジといいます。妻はシメジを真剣に探していたのです(笑)

お品の方は塩加減がこれまた絶妙です。



六品目は氷魚です。鮎の稚魚です。普通はこれに酢をしますが、懐石では次の料理の為に酢橘を絞るだけです。味の邪魔をさせない気配りでしょう。鬼おろしで粗くすった大根がポイントです。



七品目は雲子の揚げ出しです。外はパリッとしていて中はトロッと最高です。九条ネギも効いています。こんな揚げだし食べた事ありません。熱々での逸品です。



八品目はここのおハコのグジの酒焼きです。うろこを九分がた取ってあります。まずはくじの身を戴きます。皮と骨は皿に残しておきます。

食べ終えたらこれに出汁を入れて飲みます。コレが最高のお味です。骨からこんなに美味しいだしが出るとは驚きです。

皮目の香ばしさと旨みのバランスが最高に仕上がっています。

残りに日本酒を入れると岩魚の骨酒を凌ぐウマさです。





最後にイクラご飯です。ここでも千枚漬けは塩だけです。最後まで飽きさせない工夫がわかります。



デザートは富有柿とアールグレイのシャーベットです。このシャーベットが口直しに最高でした。



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私たちが好きな丸山の料理が見せる料理ならばここはそのものずばり素材を直球で勝負したスペシャリテを出す店です。その料理を食べにいくお店でしょう。

私たちにお酌をしていたのは大女将と若女将です。若き店主は京料理を世界の広めるべく活動をしているようです。

そんな店主に見送られながら店を後にしました。若き店主は東京の水産大学を卒業し、店に入る前に竜安寺で修行をしたと聞きます・・・・息子たちにも食べさせたいお店であることは間違いありません。

京都通信  三月書房

予約の京料理 なかむらまで少し時間があります。

ホテルから歩いて向かいました。

メルちゃんパパから聞いていた三月書房に立ち寄りました。




いやいや面白い品揃えです。

ここ古本屋では無いのですが、半額の本が並んでいます。

ジャンルははっきり言って滅茶苦茶です。カントの隣りに福岡晋一があったり、竹田花や太宰治、吉本隆明、伊藤整などが並んでいます。

私は絶版になった小説に出てくる料理本と魚の本を購入しました。

解りました。ここのテーマはズバリ面白いかどうかののです。

福岡晋一氏が三月書房を日本一楽しい本屋だと紹介していた理由が分かる気がします。

京都での楽しみがひとつ増えました。

店主は何も言わず客の眼を見ていました・・・・