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2013年7月25日木曜日

月曜日のプリン・ア・ラ・モード

月曜日のプリン・ア・ラ・モード

甘いものは苦手と嘯きながらこんな事書いているのだから仕方がない親爺であります。
私実はプリン大好きなのです。尤卵好きなのでこれも仕方なしと認めてくれる稀有な御仁もおられましょうが、普段は甘いものを食べない私でもプリンとシュークリームは別であると公言致します。
パフェと言う食べ物があります。そう、フルーツパフェとかチョコレートパフェといった食べ物です。実は私はあれが大の苦手なのです。何故、苦手かと言うと中に何が入っているか分からないからであります。ゼリーやスポンジ、シリアルといったものが容赦なく入っている。あれは恐ろしい食べ物であります。最初のフルーツやアイスに騙されて食べ進めて行くと突如としてケッタイナものがスプーンに乗り始めます。あれはいけない南の島での恋人とのバカンスが一通の電話で帰国を促されたような最悪の気分です。それでももってこの言葉はフランス語のパーフェクト、つまり完璧から来ているというからもっとたまりません。何がパーフェクトかさっぱり分かりません。おそらく死ぬまで自らオーダーする事はないでしょう。
そこへ行くとサンデーは違います。三食サンデーと言えば三種類のアイスクリームが乗っているのが常で、へんてこなシリアルなんかはありません。このサンデーはキンキンに冷たくなったステンレスの器に乗っているのが尚宜しいと思うのですが、もともとはその名の通り日曜日に売られていたもののようです。禁酒法の時代、酒が御法度の庶民の楽しみとして日曜日に出されていたのが語源のようです。ですから、月曜日に頼むのは少し気が引けます。そんなときはプリン・ア・ラ・モードなる食べ物が控えております。こちらは真ん中にプリン、そしていくばくかの生クリームとフルーツが添えられています。こちらも紛れもなく中身が分かる公明正大な透明性のある逸品です。私は夏の暑い時期に自転車で鎌倉駅まで行き、小町通りの「門」という喫茶店でこうした甘味を食しながら、道行く人を見ているのが何よりの楽しみでした。この店は観光客の多い鎌倉の表玄関ながらあまりに渋い店構えと常連と思しき人たちの存在感で一種別次元の空間を醸し出していました。窓越しに道行く人を見ながら、人間観察するにはうってつけの場所でしたが惜しむらくそんな門も閉店してしまいました。私にとってしばらくは月曜日のプリン・ア・ラ・モードはお預けのようです。



出店 鎌倉「門 閉店」