テレビを付けると白人の大男が今回の金融危機についてマイクにしゃべっていました。
誰かに似ていると思ったら字幕にJKガルブレイス教授とあります。
えっ!!!確かにケネディの政策顧問も務めたガルブレイスは2006年に96歳で死去したはずです。
風貌や背格好もとても似たこの人物はガルブレイスの息子だったのです。テキサス大で経済学の教授をしているようです。
私のようなロートルにはガルブレイスと言えば「不確実性の時代」というほど彼の著作は多くの日本人に読まれていました。
彼の評価は合理的な整合性が無いとか、後にフリードマンらによって批判もされますが、彼の不確実性そのものが企業という発想は今日の投機的マネーの流れを一部読み当てています。
サプライサイドの政策では資金を市場に潤沢に供給すれば、企業が潤い、個人にもその資金が回るはずですが、実際にはそうなっていません。
日本でも小泉政権下で行われた超低金利政策により、流動性の罠が発生し、この政策が間違っていることを証明しました。
番組の後半でこうした投機的マネーについて日本通の経済学者が流暢な日本語で経済が金融資本主体で構築され無秩序に市場原理で動いている。そして投資ではなく投機的なマネーが世界
を席巻していることを人間の英知によって解決するべきだと結んでいました。
サプライサイドの経済学を全て批判するつもりはありませんが、財政政策が有効なのはある一定の金利下においてだと思うのです。
かといって市場を人為的に急速に閉塞させれば経済は暴発します。
ただひとつ言えるのはこうしたマネーの怪物は敏感だということです。
ドイツの国債がマイナス金利です。彼らはリスクに大変敏感です。少しでもリスクの無い舟に乗ろうと後先関係なしに動いています。
我が国の首相が消費税をぶちあげました。確かに政策的なアピールだとしてもこれが現実になるためには新たな成長戦略とともに実現可能性を表さなければ、何だ花火かと敏感なマネーは一挙に動くでしょう。