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2015年11月13日金曜日

けんちん汁を知る

子供の頃、母親が作るけんちん汁は嫌いでした。どちらかというと豚汁が好きでした。そんな事を知ってか知らずか我が家ではけんちん汁が食卓に上がることは殆どなくなってしまいました。

それから三十数年を経て鎌倉に蜑戸を構えて、鎌倉中を自転車でめぐることが多くなりました。

けんちん汁発祥として名高い建長寺までは長い坂もあり自転車では難儀な道中なのですが、ある夏、トンネルを抜け坂道を登り境内を参拝したあと、門前のうどん屋さんにて昼食を取りました。

名物、けんちん饂飩を食したのです。するとどうでしょう、今までのけんちん汁のイメージは完全に裏返りある意味期待以上だったのです。

それ以来、美味しいけんちん汁を作るにはどうすればよいか、色々な書物を紐解きながら何とか美味しいけんちん汁に辿り着くことが出来たのです。

あの夏の邂逅がなければけんちん汁の美味しさを知らずにいたのです。

ということで私のけんちん汁のレシピです。

用意するもの
☆昆布(出しようの良い物)
☆干し椎茸(かさの厚い良質などんこ)
☆大根、人参、牛蒡、葱、蒟蒻、油揚げ
☆塩、味醂、酒、砂糖

①干し椎茸を水で戻します
②昆布で出汁を引きます(エグくならないように)
③大根、人参、牛蒡、蒟蒻、椎茸、油揚げ、葱を同じような大きさに切りそろえます
④大きな鍋に湯を沸かし、大根、人参、蒟蒻、牛蒡の順番で下茹でします
⑤昆布出汁に④の具材と椎茸とその戻し汁を加え再度煮込みます
※このとき椎茸の戻し汁は味を確かめながら調整して、中火で煮込みます
⑥⑤の鍋に酒、味醂を加え、最後に醤油と塩で味を決め、葱と油揚げを入れます
⑦食べる直前にごま油、七味唐辛子をお好みで入れます。

ポイントは野菜の旨味とエグ味を切り離すことです。個人的にはこの薄味のけんちん汁には産寧坂七味屋の七味唐辛子が相性が良いと思っています。皆さんも美味しいけんちん汁作ってみて下さい。因みに今年27歳になる息子は大好物です(笑)