時間は一様ではない。
我々は子供の頃、早く大人になりたいと毎日毎日時間の経過を待ち望んでいた。ただ、月日が経つ事を・・・
時は過ぎ我々は大人になり、伴侶を得て、忙しい子育て、働き盛りの最中にはどうしても1日はこんなに短く早く時間が過ぎ去ってしまうのだろうと天を見上げて恨んだ。時間が駆け足で過ぎていく時代だった。
艾年を過ぎ子供は成長し家を出て、娘は嫁ぎ、家には妻と二人の時間が流れる。時間はゆったりと静かに流れる。
人生における時間は川の流れに似ている。私はこうした川の流れに抗う人を見てきた。多くの場合、ほとんど失敗だ。どんなに若作りをしても50歳は50歳で、また、大人びた格好をしていても中身は子供のままだ。そんな訳で端から見ていても滑稽であるし、うまくいく道理はない。
この大きな川の流れの最後は海に繋がる。そしてその水が蒸発して雲を作りまた雨となり、大地に降り注ぐ。
若い時には若い時なりの時間、壮年期にはまたそれなりの時間があった。残念ながらそれが分かるのは海が見え始めたあたりからだ。上流や中流の強い流れの中では今を見ているのが精一杯だから。
大いに今の時間を楽しもう。人生は一度きりなのだから。多くを巻き込んで、こだわりは良い。でもリリースする事を忘れて我欲に走るのはいけない。