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2009年11月30日月曜日

坂の上の雲

NHKで司馬遼太郎の坂の上の雲が始まりました。

若い頃にはあまり興味のなかった司馬遼太郎の本も30歳を過ぎてから良く読むようになりました。

既出ではありますが司馬遼太郎氏の小説は海外にわずか3冊しか翻訳されていない、言うなれば日本人のみに共感させる小説ということになります。そうジャパニーズオリジナルです。

現代の日本はこの時期に大きなパラダイムを迎えました。それまでの価値観をまったくひっくり返すような出来事です。つまり我々のアイデンティティはここで作られたのです。

E・ザイードが西洋中心の思想を「オリエンタリズム」として批判しました。しかし、その東洋人である我々がすでに西洋に対する憧憬と悚懼を内包しているのです。

明治以前の歴史ドラマを見ても他人事として観られるのに対して、明治以降の物語は主観的なのはこのことを物語っているのではないでしょうか。

昨日もリックのパパがもとのブラジル人のボスが「サウダージ」という言葉は単に郷愁とか追憶といった言葉の意味だけではなく、もっと将来に向けた意味があるといっておられましたが、これもまたこれから隆興する国のアイデンティティなのではないでしょうか。

坂の上の雲はめざせます。坂ノ下には雲はありません。現代日本のテーマです。

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