日米安保について自分なりに考えてみたいと昨年から数冊の本を読んでいました。
ジョン・ダワーの「昭和」、「村田良平回顧録」、そして同じくダワーの「敗北を抱きしめて」です。
戦後の保守本流と言われながら構造的には2派に分別される政治思想、いっぽう分別されながらも自己抗体として反する精神は中々分かりにくいものでした。
ただ言えるのは単に護憲だとか、改憲だとか2分別にする考え方はあまりに稚拙で単純です。
こんな日曜日に普段はあまり読まない対談集を読みました。一人は昔のスーパービッグボスこと辻井喬氏、そして山口次郎氏による対談です。すばり「日本を問う」です。
辻井氏の大平正芳氏にスポットライトを当てた「茜色の空」は中々面白い内容と当時の政治状況を細かく調べてあると感心しましたが、本書は辻井氏の思想観を歴史的に読み解くヒントになります。
私が入社した時に当時パルコの社長(専務)故増田通二氏が「オレだって怖いもんがあるんだよ・・そりゃ会長だよ」と言っていたのを思い出しました。株主総会の時に会長のエレベーターに同乗した私は会長が下を向き、何も言わずエレベーターの壁をゴツゴツと蹴っている姿に、他の役員が冷や汗を流しながら緊張していたことを思い出します。
消費社会の変革なんて、自分で起こしておいて、いまさら何を言ってんだという声も分かりますが、当時から会長は消費至上主義自体には懐疑的に思っていたのでは無いかと思うのです。でも当時はそんな青い思想論を持ち出すことはご法度だったのです。
辻井氏は大学で丸山真男氏に出会ったことが政治学の世界に入り込むきっかけだったと言っています。そんな彼が消費社会の暴走を予測しなかったとは考えられないからです。
日曜日は普段と違う知的刺激とワインが似合います。
本の中に出てくる中野重治氏の「五勺の酒」で憲法を「中身を詰め込むべき、ぎゆうぎゆう詰めてタガをはじけさせていく行くべき」と述べています。あれから誰もこの詰め込み作業をしていないと・・・ふと感じる訳です。
ワインはいつものシャルドネではなく、辛口のソービニョンブランです・・・・
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