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2011年10月11日火曜日

合理的期待 パレート最適

アメリカ人2氏のノーベル経済学賞が決定しました。

クリストファー・シムズ教授トーマス・サージェント教授です。

残念ながらシムズ教授の事はあまり知りませんでしたが、サージェント教授といえば合理的期待を導入した第一世代の新古典派経済学者だと思っていました。

私にはこの合理的期待というものが今一つ理解出来ません。それに95年に真水学派の本丸シカゴ大のロバート・ルーカス教授が既に受賞していたはずです。

この分野では実質的景気循環理論=リアルビジネスモデル論として2004年にも2氏が受賞しており、何かノーベル賞はこの方向性に偏っているように見えるのですが如何でしょうか・・・

何故、私がこの理論を好きになれないか、それはその仮説である合理的個人の存在と貨幣の中立性を建前としているからです。

経済の動きは絶えずパレート効率的(集団内では誰かの効用を犠牲にしなければ他者の効用を高めることができない)とする理論を前提としているからです。

マクロ経済学の理論は数字を多用します。それは科学的と呼ばれるのかもしれませんが、そもそも経済は科学の対象なんでしょうか、我々の欲と善意の蠢く経済は・・もっと哲学的に様な気もしますが・・・・

小さな白い丸と黒い丸を遠くでみるとグレーに見えるように、マクロ経済の問題はそこだと思うのです。ここの小さな個別の状況を見誤らせる恐れです。一応、ミクロ的見地での検証をしているらしいのですが・・・・でも非自発的失業はないというのは無理があるでしょう・・・

私は一つのケーキを一人で食べるより、家族や仲間と別けて食べた方が効率的だと思うのですが如何でしょうか・・・彼らに言わせればこういう人間は合理的経済人ではないということらしいです・・・・・

そしてこの二人の理論にしたがえばどんな財政・金融政策も無効となってしまうのです。

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