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2012年3月8日木曜日

減価償却制度

私のブログは結構資産家も見ているようなので、ひとつ良い事を教えましょう。


ただし規模が大きく投資銀行やその他の投資を募って事業をするような場合とは異なりますので、一般の金融機関から借り入れをするような場合に限定します。

税法で一番まずいのが脱税です。これは絶対にしてはいけません。例え僅かな金額であっても家賃帳の入金を売り上げから外したりするとこれは後になって大変な事になります。なんでこんな小さな事と侮るなかれ。

これは法律用語で「証左」といいます。例えこんな小さな金額でもこの人はこういうことするんだなと思われてしまう。つまりある事実を証明するその拠り所とされてしまうからです。

一方、節税とと呼ばれる方法があります。これは大いに推奨したいものです。あくまで決められた範囲内で行うのが条件です。

ご存じのように日本の税法・会計制度には減価償却制度というものがあります。

ちなみに私のゼミ論は「時価評価」でした。右肩上がりの成長を続ける日本経済にあって、当時は認められていないものを研究して何の役に立つのとの冷ややかな声が聞こえてきましたが、私は私なりに現行制度に矛盾を感じていたのです。

10年近く前に契約上の終期が決まっていて取り壊すことが分かっている一時的建物の償却年数が何故短くならないのか、国税当局と話し合った事があります。

結論、当局はそのような決まりがあるからという一点張りで、そこには理論もへったくれもありませんでした。

当局は終期の時点では同じでしょといいます。馬鹿じゃありませんか、すでに終期が決まっているものを現時点で均等に配分し償却するのと、前者では会計学で言う明瞭性の原則に反しますし、決算書に企業の正確な力量は反映されません。

しかし、制度はそうなっているのです。

ですから車でも新車は5年です。中古車ならもっと短くなります。そう、制度から言えば儲かっている会社ほど中古車を買うべきなのです。

話を戻しましょう。つまり、日本の企業に大きな影響を与えている税法はそのような過去の呪縛から逃れられない一種の宿疴を持っているのです。

費用と言うのは支払ってしまえばすでに考えてはならないものです。過ぎ去った自分の年齢のようなものです(私は過ぎ去った年齢が大分ありますが)つまりサンクコスト=沈んだ費用なのです。

20年前なら堅固な建物を建てて、20年~25年の計画で返済してと事業計画を立てたこともあります。しかし今のような混沌とした時代ではそんな悠長な事は言っていられません。一時、サブリースというのが流行りました。大手が賃料を保証してくれるというものです。多くの資産家が飛び着きましたが、今では判例でもこの契約は変更できるとされています。つまり市場変更の原則適用です。

その上で大切になるのがこのサンクコストの考え方です。つまりサンクコストとして考えられるのは自己資金が潤沢で、借り入れをせずにその費用が払える証拠です。

私に言わせれば個人は別として小さな会社で役員の乗る車をローンやリースで使うなんてことは費用を繰り延べしているのですから、その会社の体力はどんどん消耗されます。貯まるまで待つべきです。

ではどうしてこの体力を付けるか、それには徹底してキャシュフローを改善すべきです。この場合見栄体裁は最大の障壁です。

減価償却制度は現存するのですから仕方ありません。私の会社の場合には税理士先生には大変酷なのですが大変細かく分類し、出来る限り早期償却を心掛けています。

だから単純に決算書を見てもそのあたりをしっかりと見極めないとその会社の真の力は分からないのです。

珍しく仕事のお話でした。

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