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2012年4月4日水曜日

都市論 社会学





社会学の博士号を持ってらっしゃる方がFACEBOOKにおられるので大業な事は言えませんが、私は三浦氏のこの三冊は優れた本だと思っています。

ご存じのように彼は「アクロス」というマーケティング誌の編集長でした。その雑誌では「定点観測」とい決まった場所での若者のファッションを通じて、世相を分析する試みがありました。

理論的でないとおっしゃる向きもありましょうが、あるスコープを使って社会全体の傾向を考えるのはこの学問ではあながち間違っていないと思うのです。

当時のPは所沢に出店するにあたって悩んでいました。もともと都市が基盤の会社が郊外に出店する訳です。「アーバンとサバ―パン」と題して特集を組んだこともありました。

結果は見ての通りです。三浦氏が言う、郊外つまり核家族化がもたらした幸福論とは所詮絵に描いた餅である。確かにその通りです。

私のいる横浜北部などまさにこの郊外ドンピシャです。どこにいってもユニクロと家電量販店、シネマコンプレックスにフードコート・・・均質化した街です。

日曜日に青葉台の百貨店に行くとそこは高齢者ばかりです。まさに世代が固まっている状況です。

街と言うのは色々な年齢の色々な職業の人がいて面白いのにここは違います。

以前に中根千絵氏の「縦社会の人間関係」を履修したと申しました。あの本には伝統的家父長制度が根本にあり、日本的な縦社会の人間関係が作られると言う骨子のものでしたが、この郊外の現実はその家父長制度の崩壊と核家族化という変化が顕著に見られます。

しかし一方で若い人を中心に面白いムーブメントが起こっています。郊外化の象徴でもあるようなニュータウンに注目して、「ニュータウン面白いじゃん」というものです。

R不動産はネットでそんな企画を特集しています。

震災がありました。震災に限らず家父長制度から核家族化へ変容し、そして崩壊したものを再構築するそれが今の日本には必要なのだと考えます。

彼の著作「3.11以降の建築と都市デザイン」にはそんなヒントが隠されています。

シェアという言葉は住宅に限ったものではありません。幼稚園、保育園のシェア、サテライトオフィスのシェア、病院のシェア、移動手段のシェア・・・知識、情報もっともっと拡大していく可能性があるのです。

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