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2012年5月24日木曜日

気になる人 堤 幸彦

映画の取り方には無数の方法があると思う。ストーリーを大切にして人物の心の様子を丁寧に描く方法、時間軸を基準にパラレルワールドを対比させる方法など手法は星の数ほどあろう。

私はこのところ堤幸彦監督の映画をよく観ている。漫画ではまった「20世紀少年」、テレビでお馴染の「TRICK」さらに藤田誠主演でB級戦犯で唯一死刑になった岡田准将の「明日への遺言」などそのどれもが堤氏の作品だ。

堤氏の出所は大学卒業後、専門学校で映像を習い、テレビ局に入社し数々のテレビを制作してきた。

そして最近になって映画のメガホンを取ることが多くなったと聞く。

先日「SPEC」観た。私はストーリーの展開が写真で切り取られた画像の連続のような気がした。

バルトの言葉を借りるまでもなく、日本は記号の国だ。彼はその記号をうまく利用しているのだ。

とある道路工事現場の画面に大きな看板が立てられている。実際に住宅街の郊外都市にある奇妙なこの看板を私も観たことがある。

そして並列してある看板も首都高に忽然と掲げられすぐに撤去された熱海の某旅館の看板・・・みごとに都界に存在する記号を違和感を映像の下敷きにしている。

何かの感覚に似ている・・・・そうだ、村上春樹氏が描くそれに似ているではないか・・・首都高3号線の西日の部屋、ベランダに出されたゴムの木・・・・どこにでもありそうで奇妙な景色だ・・・・

都界のラビリンスは存在する。少なくとも私はそう思う。映像は切り取られそれぞれバラバラにされ再構築される・・・・まだまだ堤氏から目が離せない・・・・・

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