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2012年6月12日火曜日

好きこそものの上手なれ 開口 健

開口 健の小説と言えば純文学として芥川賞を獲った「裸の王様」や「夏の闇」「輝ける闇」など人間の内面、心の闇に迫った作品も多いが、なんといっても彼が好きだった食べ物やワインそして釣りに関する雑文にこそ彼の魅力が詰まっていると思うのは、私の勝手な思い込みであろうか。

先日買った、「完本 釣魚大全」はまさに開口の面目躍如、起死回生の一冊である(もともと死んではなかったか)

魚をとらえて万物の流転の転成を論じてみたり、魚の餌を話題に世のグルメ高級志向にチクリと釘をさしたり、読んでいて実に面白い。

そういえばヘミングウェイも好きなカジキ釣りの描写は他の作家には類を見ないダイナミックでそして静謐な表現だった。

そう好きこそものの上手なれ。私はそれで良いと思うのだが・・・・・

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