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2012年7月20日金曜日

日本の製造業

日本は「物作り大国」と少し前まで言われ続けていたが本当に物作り大国なのだろうか。

「銀輪の巨人」(台湾の自転車メーカージャイアント)という本には日本の自転車産業が如何にして衰退して言ったかが書かれている。

当初は台湾や中国などと嵩をくくっていた。しかし、蓋を開けてみると自転車作りのノウハウをすべて浚われて何一つ日本には残らなかった。

彼らは自転車は売ったがそれはママチャリを売る売り方で、収益性の高い高級車を売る売り方ではなかった。さらに業界が政治に働き掛けその下地を作ることもしなかった。

いまだに歩道を走る国は日本くらいなものなのだ。

白物家電といわれる製品だって同じではないか。韓国や中国の製品を馬鹿にして、「****工場生産」と液晶テレビの国産の優位性を謳ったところでもう遅い。

アメリカに行くとよく分かる。以前は高級ホテルに設置されている液晶テレビはほとんどが日本製だった。しかし、数年前に行った時にはほとんどサムスンに取って代わられていた。

自動車はまだ大丈夫と思っていまいか。

私はヒュンダイが日本から撤退すると聞いた時に、日本市場に合わなかったと指摘した専門家がいた。そんなはずはない。私は日本の市場を捨てたのだと思った。

案の定、ヨーロッパを主な戦場として現在ではもっともシェアの高い自動車メーカーのひとつに成長している。

GMだってそうだ。日本では売れてないからといって世界で売れてない訳ではない。事実、ブラジルでの販売は好調で大きな収益源となっている。

島国根性ゆえと総括してしまうのでは身も蓋もない。これらの製造業のトップの多くが国際的な感覚が乏しく、創業家の歴史を重んじる傾向にある。それゆえ、一度敷いた路線を変更する事を良しとしない。

「レクサスとオリーブの木」という本があった。南北格差を言い変えている訳だが、レクサスが製造業の成功の指標であったのだろうか。

H報堂が企画した当時のプロモーションはボンネットの上にシャンパンタワーをつくり、その上からシャンパンを注ぎ、エンジンをかけても零れないパフォーマンスで紙面をにぎわせたのだが、アメリカ人はそんな単純にレクサスを賛辞したとは思えない。

ある調査によると、レクサスを買った多くの人が人種的偏見を持たないことを心情としているとアンケートに出ていた。さらにレクサスの他に数台所有している人がほとんどで唯一無二の車ではない。

豪華客船の先端でのパフォーマンスが有名になった映画に出演していた某俳優もエコカーを買ったと出ていた。しかし、彼は「そうみえる」事を予想して買ったのである。

物が売れるには二つの側面がある。圧倒的に他との差異が生じ、市場に同様なものが無い場合と市場には同様の物があり、比較の中で購入される場合だ。

前者の場合はすぐに他者が真似るので独占できる期間は短く、最終的には後者の状態により均衡される。

私にはガラパゴス化と言われた日本の携帯電話同様、物作りの現場に置いて、ブランドにこだわり知らず知らずのうちにガラパゴス化しているものが多いような気がする。

カーナビ、ヘッドレストについた後席テレビ、クルーズコントロール・・欧州やブラジルの人に選ばせたらどれも要らないというだろう。エアコンさえいらないというのだから・・・・・


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