一方、息子は楽器(テナーサックス、ファゴット)を部活で演奏していた事もありクラシックばかり、N響の会員にもなっていたことがあるほどのクラシック好き。でも彼は実際の演奏をコンサートホールで聴く事が好きで、オーディオはもっぱらi pod・・・・
妻と娘と言えば何となく今はやっている音楽、どちらかというJ popというジャンルを聴く事が多いようだ。
そのジャンルに傾倒し、より深く、それぞれの演奏や録音状態の違いまで拘って聞くというプロフェッショナルなマニアとしての楽しみ方も素晴らしいと思うが、あの機材を揃えて、環境を整えようとする事は私の今の経済力からは到底無理なお話である。
そんなプロの楽しみ方とは大分違うが、私にとっての音楽とは記憶装置を呼び起こすような、いわばタイムバックするための目覚まし時計のようなものだ。
つい先日、このパプロクルーズというバンドが30ぶりに来日するニュースとそこで流れた音楽を聴いて一気に私を30年前に連れ戻した。
このパプロクルーズを聴いた(直接でなく映画のBGMとして)のは1979年だったと思う。
友人と九段会館で上映される「FREE RIDE」というサーフィンムービーを観たときのことだ。
会場は髪の毛の長いおかっぱ頭の日に焼けたサーファーで溢れかえっていた。
お金の無い私達は近くのパン屋でパンとコーヒー牛乳を買い、夕ご飯とした。
パットメセニーの「サンロレンツォ」を聴くと大学の友人と中野サンプラザで開催された彼の来日コンサートに行った時のことを思い出す。
時間があったので友人宅を訪ねるともパットメセニーのことを良く知らない私に友人I君はよく説明してくれた。私は持っていなかったが彼は確かフェンダーを持っていて、ギブソンのアコースティクも欲しいと言っていた。
彼はその後郷里の新潟に帰り、銀行に就職したと聞く。
バイトをした翌日、友人の車で茅ヶ崎に向かい、明けやらぬ空を眺めながらラジオのスイッチをひねるとFENからサンタナのギターが聞こえてきた。音楽が終わるころにはすっかり日が昇り、まわりでは一斉に緑色のサーフキャリアからボードを降ろす若者が見えた。
あの車は何色のセリカだったのだろう、海からの帰り道、バスと衝突してお釈迦になってしまったのは遠い記憶・・・ふたりとも無事だったのが不思議なくらいだった。今もそれを思う権田坂・・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿