鎌倉の古本屋で購入した開高健氏の釣り魚本と野上弥生子女史の「森」はすでに一読しましたが、再度その文章の筆致を確認したく拝読しております。
好きこそものの上手なれと開高氏の釣り魚本を読んでいましたが、再読していくうちにヘミングウェイのそれと同じに抑圧され、ある日常生活ではとことん困り果てて疲弊し、精神的に会いこまれた逃げ場のような感じがしてくるのでもあります。
亡きあとにかれこれ書かれた開高本は数あれど、友人が言っていた「死んだんだから、そっとしておいてくれよ」という気持ち分からぬでもありません。
まさにヘーゲル先生の「従僕の目に英雄なし」というところでしょうか・・・・・・
もう一冊のお手軽本は東京大学の現役の教授でもある著者が人気講座の一読本として出版したものでありますが、何と言っても読み切りのコラムが面白い。
この先生、金沢のご出身で、先般私が訪れた21世紀美術館はその母校でもある金沢大学付属学校の跡地だったと聞きます。石川県は教育県でもあり、進学率も高いと聞き及びますが、そういえば息子が数学か医科学かで進路を迷っている時に、拙宅の些細な集まりの中で妻の友人の夫に「そんなに了見は狭くないと思うよ」と的確なアドバイスを戴いた、その人も石川のご出身でした。
懇意にさせて戴いている日経新聞の編集委員の方も、すでに亡くなられた免疫学の巨人多田富雄先生の本を出版し、私が興味あるというと、当時のその書籍を直接戴いたこともあり、そんな縁で私は多田先生の本はほとんど読んでいましたが、あとになってその人が多田先生の研究生だった事を知り、世の中の縁を感ぜずにいられませんでした。
閑話休題
CPスノウを持ちだすまでもなく、21世紀になって文系と理系は益々乖離していきます。
その証拠にノーベル物理学賞や化学賞、医学賞などの理系分野の受賞者がどんな研究で受賞したのか的確に説明できる人はどれほどいるのでしょうか、研究の専門家、先鋭化が進み、それを咀嚼し得ることが出来なくなっているのではないでしょうか。もっともポピュリズムに毒されたマスコミの大罪を見逃してはなりませんが・・・
秋の夜長の読書、、、文系2、理系1の割合が当分続きそうです・・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿