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2013年1月10日木曜日

シチリア料理 葉山 ピスカリア


シチリア料理 葉山 ピスカリア
巷に日本ほどイタリア料理店が多い国はないのではないかと思うほど、猫も杓子もイタリアンである。家の近くにもフレンチ出身のオーナーシェフがフランス風の店名を付けていたかと思ったら、看板が急に変わってラ・何たらといったイタリア料理店に変わっていた。シェフは同じなのに。まあそんなゴタクは別として美味しいイタリア料理店が少ないというのは事実。でもこれも日本に限った事ではないのだけどね。
妻がナポリに行った時に街場のレストランでピッツアを食べたのだがこれが不味かったらしい。日本の方が何倍も美味しいと憤っていた。私もミラノから電車に乗ってジェノバの少し先の港町まで旅した時に同じような経験がある。ミラノで食べたそれは本当に不味かった。もっとも着いたホテルで供された魚介類のパスタや前菜はどれも唸るほどの美味しさだったので日本より値段に正比例しているようだ。日本のそれは高い値段を出したからといって美味しいとは限らない。予約の取れないとマスコミで騒がれているお店でも大したことがないところも多い。だから余計腹の虫が収まらないのだ。
そんなこんなで私はパスタマシンを持っている。パスタの種類に合わせて配合を調整し、打つ回数を変えたりしている。私は相当の麺好きである。
イタリアンと一言で括っているが実は地方の郷土料理の集まりである。例えばパスタにしても前述のように卵を入れたパスタもあれば全く入れないものもある。トマトを多用する地方もあればそうでない地方もある。これを読んでいる読者の中でイタリアの州がいくつあるか知っているならそれで宜しいが、知らないなら地図を参考にすべきである。
そんな州の中で長靴のつま先のさらに先にある石コロのような島がある。これがシチリア島である。シチリア島と言えば私は映画ゴットファーザーを真っ先に思い浮かべる。貧しいパレルモの街からニューヨークに渡ったマフィアの故郷だった。もう少し後段では映画グランブルーでジャックマイヨールに扮した男が真っ青な地中海を舞台に潜水を繰り広げた場所だ。どちらもシチリアのイメージを濃くしている。
シチリアは地図を見てもおわかりのとおりその対岸はアフリカ大陸である。つまり、イスタンブールと同じようにイスラムとの文化的接合点であるのだ。
実際のシチリア料理にはイスラム諸国で普通に使われているややエキゾチックな香新料が使われる。そしてもう一つが島に自生するウイキョウ=フェンネルである。だからシチリア料理にこのフェンネルが欠かせないのだ。ところが日本ではこの生のフェンネルが手に入らない。大抵のところは乾燥したフェンネルで代用するが味が違う。パスタを茹でる際にも使うのだから代用では中々上手くいかないのだ。
私がこのお店に初めて訪れた時、まず目には行ったのは庭先の鉢に植えられていたフェンネルだった。迷わずシチリア風の鰯のパスタを注文した。運ばれてきたその皿からはフェンネルの柔らかな香りとトマトソースと鰯がパスタに絡み合い最高の逸品だった。
このパスタを普通のパスタで供する店も多いが、私は絶対にこの店のようにカザレッティというショートパスタが合うと思う。真ん中に切れ目が合ってソースとよく馴染むからである。この店を訪れてこれを食べないのは魚屋に行って野菜を買うようなものである。だから是非このパスタをお勧めする。この店のランチには前菜が6種類付く。季節によって変わるのだが、これがまた驚くほど美味しい。カポナータというイタリア版野菜のマリネ、季節の野菜や小魚のフリッタ、クスクスサラダ、生シラスのパンケーキ(勝手にこう呼んでいる)など新鮮でなければ美味しくないものをさっと料理して出す。クスクスのサラダは香辛料の香りが効いていてどこかイスラームを連想させる。まさにバカ旨だ。そうそう肝心の鰯も新鮮なものが入った時しか出さないと言っていた。どうりで旨いはずだ。この店の庭先のフェンネルは今は涸れてしまったけどちゃんと生のフェンネルで料理している。おかけでその影響で私はネットで種を購入してフェンネルを育てた。そのうち地植えにした2本が今日も黄緑色の葉を寒風に吹かれながら元気に3年目に突入した。くれぐれもフェンネルのそばにディルは植え無いように、何故ならフェンネルがディルになって優しい味が変わってしまうからからだ。これ本当のフェンネル。



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