頭の柔軟性
歳をとると躯もしかりですが、頭の柔軟性がなくなるといいます。しかしこれとて人それぞれで私より10才以上も歳の離れた友人の中には全くこれに当てはまらない永遠の青年のような人もいますし、逆に若いのに保守的で新しい思考を全く取り入れない人もいますから、ですから本当に人それぞれということになります。
私がお付き合いをさせてもらっている設計事務所の設計士さんはこの柔軟性がすこぶる豊かなのです。ここで断って置きますが、頭の柔軟性と言うのは根なし草のように、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、自分を持たすに他人に意見にすぐ迎合するというものではありません。この先生は某大手設計事務所では大きな建築物の企画や設計も、さらに個人でも数々のコンペティションにも参加するなど、自分と言うものをしっかりと持っておられます。
それでも世の中には多くの嗜好性が存在します。それを駄目と言ってしまえば、全てが御仕舞、ジエンドとなってしまうのですが、その中に一縷の光明を見つけ出し、新たな価値を創造する作業こそ、この先生の真骨頂とも呼べるものなのです。
今回のクライアントは幼き頃よりアルゼンチンを始め多くの海外生活体験をされた奥様でした。さらにその後、音大でピアノを習得しさらに看護の免許を取得すると言う、若くして多くの事を経験し感化されてきた人でした。
この感化された事実の前では私達が当たり前だと思っている事は必ずしも当たり前ではなく、もっと別の庭が広がっているのです。
この事実を受け入れ、発展させる事こそが自分の価値観を広げて行く行為なのではないでしょうか。それを強く感じます。こうした仕事を一緒にできた事は私にとっても新しい創造的出来事なのです。本当に楽しい経験でした。有難うございました。私も頭の柔軟性についてよくよく気をつけなければならないと自戒の念を込めてこの文章を書きあげたということになりましょうか。
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