4時間かけて集中して読破しました。村上春樹さんの小説は全て読んでいますが特に村上ファンというわけではありません。「海辺のカフカ」も過去と現在をワームホールでつなげたような人物が登場し、大変楽しい小説でしたが、今回の小説も絶対読んだほうが良いと思われる傑作だと思います。
読むときにはヤナーチエックの「シンフォニエッタ」とバッハの「平均律クラビィーア」を聞き、是非トムコリンズでも飲みながら読んで欲しいです。ちなみにヤナーチェックのこの曲はチェコの国民体育大会のための楽曲で、北朝鮮の体育大会を連想される作風です。
クラシックとジャズこの織り交ぜ方も絶妙です。
小説の中身はこれから読むかたもいるので詳細はひかえますが、O真理教の教祖やその存在、輸血拒否を信条とするE教団など現在の新興宗教が取り上げられているのですが、そこはさすが春樹さんです。全体主義の狂喜と個人の心底にある信条=教条をまとわりさせながら、「善」と「悪」をあぶりだしています。その表現力はすごいものです。それとこの頃の春樹さんの作品には時間が大切な要素として使われています。これも使い方の上手さに舌をまかれます。
巻頭の首都高速3号線が渋滞にはまり、主人公の「青豆」が階段を降りて、246に出シーンは実は夢で見たことがあります。
もちろん登場人物は私です。毎日3号線で通勤している私には現場の情景は手に取るようにわかります。私は閉所恐怖症なので渋滞で車が動かなくなると、本当に冷や汗が出てきます。この恐怖は体験した人でないとわからないと思います。私の夢は何とか下におりたのに、246には出られない夢でした。そこで夢はおわりました。
なんで首都高に向かってベランダなんか作るのだろうと・・・・・今度はゴムの木のあるベランダを探すことになるでしょう・・・・
雨の週末です。残りのダン・ブラウンと「ダーウィンのジレンマ」は並行して読みます。