友人のO氏が言っていたのでお勉強のお時間です。K女史眠らないで良く聞きなさい!!??
とは言ったものの、文系の私がこうして理系図書を読むようになったのは最近で、その理由はあまりにもこの世の中が理系と文系に乖離していると思ったからです。官僚も含めて組織のトップはほとんど文系で、理系学問を全く勉強していないのです。(私も含めて)まさにCPスノウがいう「2つの文化」です。
例えば生物科目 などは私たちが高校生のときにはやっと2重螺旋のDNAが教科書の端っこに書かれていた程度でしたが、今日ではコンピューターにより膨大なゲノム解析が可能となり、分子の性質が解明されてきました。
ということで、今回はコラーゲンのお話。
コラーゲンを外部から摂取することで、肌のはりが蘇るといってテレビでも宣伝していますが、これは全くのナンセンスなのです。
コラーゲンは消化酵素の働きにより、バラバラのアミノ酸に分解され、血液に乗って体に新しいタンパク質の材料となるまではいいのですが、コラーゲン由来のアミノ酸はほとんどコラーゲンとはならず、むしろ排出されてしまうようです。これはコラーゲンを構成するアミノ酸グリシン、プロリン、アラニンといったどこにでもあるありきたりのアミノ酸で、あらゆる食品タンパク質から補給され、他のアミノ酸を作り変えてもできる非必須アミノ酸だからなのです。
もし、皮膚がコラーゲンを作りたいときは、皮膚の細胞が血液中のアミノ酸を取り込んで必要量を合成するだけなのです。だから低分子化したコラーゲンをいくらとっても意味の無いことなのです。じゃコラーゲン配合の化粧品で肌がすべすべになるのは?これは、肌の皺にヒアルロン酸や尿素、グリセリンなどが埋められただけなのです。
こういった「健康幻想」は文系にありがちな、身体をミクロな部品が組み合わさった機械仕掛けと捉える(本人にとっては合理的)発想が加担しているようですもちろん、ここで述べた大部分は私の感想ではなく、福岡伸一氏による「動的平衡」詳しく記載されています。良書ですので是非ご一読下さい。
最後に福岡氏はアンチ・アンチ・エイジングこそエイジングと共存する最も賢い方法だとも述べています。
K女史が「世界で一番輝いている50歳になりたーい!!」と言っていました。確かにそうです。
しかし、前出の箴言どおり、50歳は50歳です。どんなに手のこんだアンチエイジングをしても、エントロピー増大の法則を破ることは出来ません。それに充分輝いていますよ。
昨年、展覧会で見た「エミール・ウング・ワレー」の死の3時間前に書いた作品が、生と死のカオスのような衝撃を受けたことを思い出します。つまり最後には全てのものが曖昧になるのです。
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